「映画×地域」で町興し!異国感漂う”コザ”が舞台「10ROOMS」18日公開

 

登場するのは”5部屋” 既に続編への期待も!?

メディア向け試写会に参加した(左から)岸本司監督、神山繁プロデューサー、司会の宮島真一さん、ひがりゅうたさん、クリスさん、大城智二さん=10月27日、那覇市のシネマQ

 10月27日には、シネマQでメディア向け試写会が開かれた。

 映画化の経緯について、制作したファンファーレ・ジャパン(沖縄市)の神山繁プロデューサーは「加藤雅也さんが沖縄の可能性に非常に興味を持ってくれていて、『独自に沖縄映画をつくるべき』という言葉がきっかけでこの企画が始まりました」と説明。その上で「僕たちは街を改造したいという思いでホテル運営やテレビ番組制作などに取り組んでいます。最終的に映画を制作したいという思いは以前からあり、根底にあるローカルエンタメ映画の可能性に挑戦するということを表現できたんじゃないかと思います」と胸を張った。

 挨拶では、ありんくりんの2人と山城さんによる”お笑いトリオ”の軽妙なやりとりも。初めにマイクを握ったクリスさんが「今日初めて作品をちゃんと見て、マジでこの映画を例えていいですか?ブラックコーヒーです。また飲みたい、また見たくなる映画です」と語り、会場から笑いを誘うと、ひがさんも「この映画ブラックコーヒーみたいです」と重ね、また笑いが起きた。

会場を沸かせるありんくりんのひがりゅうたさん(左)とクリスさん

 続いて、シリアスなストーリーを表現した尚玄さんや加藤さんらとは真逆の役柄を演じた山城さんが「僕のくだりだけ午後の紅茶みたいな、本当に同じ世界にいるのかなという感じがありました」と”飲み物例え”を被せると、さらに客席が湧いた。映画については「登場人物が泊まってるホテルも実際にある部屋で、これがとてもオシャレでクール。沖縄にもこういう場所があるんだと感動しました」と語った。

 今回の映画で登場したトリップショットホテルズ・コザの部屋は、闇ポーカーの会場となった「CENTRAL」を含めて5室。まだ5室残ってるため、神山さんは「これが当たれば、続編があるかもしれないんですよ」と希望を語り、集まったメディア関係者に宣伝の協力を求めた。

岸本監督が作品に込めた”寛容さ”

作品に込めた思いを説明する岸本司監督

 「沖縄を変えた男」や「ココロ、オドル」などの作品で知られる岸本監督にとって、コザを舞台にした映画は今回が初めて。自身は名護市出身だ。「僕は田舎出身。沖縄のイメージが濃く、深く残り、それを前進させているコザがすごく好きです。シナリオを書く前にチャンプルーと書いて『カオス』、テーゲーと書いて『多様性』、イチャンダと書いて『フリーダム』。そんなイメージで4つの物語を書きました」と振り返った。

 また「今の時代は人々が分断され過ぎているような気がしています。不寛容と言うんでしょうか。ダメな人間でも受け入れてくれる場所が必要と考え、この映画を撮りました」と、作品に込めた思いを説明。さらに全国各地で過疎化によるシャッター街が問題になっている中、「自分達の街に誇りを持ち、どう盛り上げていくか。そういった視点でも、是非この映画をいろいろな人に観てもらいたいです」と鑑賞を勧めた。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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