最高値「1番マグロ」は約100万円 糸満漁港の新施設で初競り

 
じっくりとマグロを見ながら品定めする仲買人たち=10月11日午前、糸満市のイマイユ市場

 泊魚市場(那覇市)の老朽化による移転に伴い、沖縄県が整備した糸満漁港内の新しい魚市場「イマイユ市場」が11日、開設され、初競りが行われた。この日の1本目となった重量49.6キロのメバチマグロは、通常では「キロ単価千円台くらい」(競り関係者)と言われる中、1キロ当たり2万円のご祝儀相場が付いた。約100万円で競り落とされ、荷さばき場で見守った関係者から歓声と拍手が沸き起こった。

水産物は直置きせず 高度な衛生管理

この日の最高値が付いたメバチマグロ(手前)

 新市場の開設者は沖縄県水産公社で、正式名称は「沖縄県水産公社地方卸売市場」。愛称は一般公募され、161件の中から「取りたての新鮮な魚」を意味するイマイユ市場が採用された。

 完成は今年3月。鉄骨造りの2階建てで、荷さばき施設の延べ床面積は約7,300平方メートル。マグロを中心に県内外の漁船が獲った魚を取り引きする県内最大の市場となる。

閉鎖型の荷さばき場。魚は全てペレットの上に乗せられている

 開放型だった泊魚市場とは異なり、ウイルスや小動物などの侵入を防ぐために壁で囲まれた閉鎖型となっている。荷さばき場内に入るには手と長靴を洗浄するエリアを必ず通り、入退のドアには非接触センサーを採用。水産物は床に直置きせず、パレットの上に乗せた状態で競りを行うため、より高度な衛生管理体制となっている。

 この日の初競りは午前5時、ベルの音と共に開始。競り人の威勢のいい掛け声に呼応し、仲買人が二つ折りの小さな黒板に数字を書き込み、次々と魚を競り落としていった。

県内関係者、水産庁 消費拡大に期待

鏡割りで新市場の開設を祝う関係者たち

 競りに先立ち、市場2階では午前4時から新施設の開設を記念した式典が開かれた。多くの関係者が参加し、手打ち式や鏡割りで新たな水産拠点の門出を祝った。

 JF沖縄魚市場有限責任事業組合(LLP)の上原亀一職務執行者(沖縄県漁業協同組合連合会会長)は「今の率直な気持ちとしては、多少の不安はございますが、期待の方が大きく、胸躍る心境でございます」と挨拶。その上で「近年は世界的にも食に対する衛生管理の意識が高まっており、さらなる消費拡大に繋がるものと期待しています」と展望した。

 水産庁の安東隆次長は神谷崇長官の挨拶を代読。今年3月、新たな水産基本計画と漁港漁場整備長期計画が閣議決定されたことを念頭に「産地の生産力強化と輸出促進のための衛生管理対策、流通拠点となる漁港の整備の推進を掲げているところでありますが、新たな卸売市場の整備はこの方針に即した取り組みであり、水産庁としても大きく期待を寄せるものであります」と述べた。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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