ファンの青春も“大復活”させた「沖縄アクターズスクール大復活祭」ライブレポ
- 2022/10/7
- エンタメ・スポーツ
続いて登場したのはKiroroの玉城千春。中1の時にアクターズに通っていたものの「ビートに乗れずに辞めちゃいました」と、マイペースな語りで会場の笑いを誘う。「歌は好きで、続けています」と話して歌い出したのは「未来へ」。ギター1本の素朴な伴奏が、シンプルでストレートな歌詞のぬくもりを引き立てる。穏やかに語りかけるような玉城の歌声は、春先の優しい太陽のように会場を包み込んだ。
知念里奈は25年前のデビュー曲「DO-DO FOR ME」で登場。にこやかに客席に手を振りつつ、ダンスセクションでも満面の笑顔を浮かべる。息を上げながらも「原点に戻ってエキサイティングに楽しんでいます」と明るい表情を浮かべると、ヒット曲「Wing」で透明感ある歌声を聞かせる。「校長(マキノ正幸氏)とアンナさんにもらった“アクターズスピリット”が受け継がれていくんだな、と思いながらこれから先のステージに立ちたいです」。そう噛みしめるように語った。
熱狂、もとい“狂騒”の「Body & Soul」
次いで島袋寛子がソロ・シングル「AS TIME GOES BY」でスタート。ミドルテンポが心地良く、観客もウラのリズムで手拍子しながらビートに身を任せる。立て続けに3曲のソロ曲を歌い上げ、「奇跡のようなステージ、最高だね」と自身のキャリアを思い返しながら語った後、この日の最高潮が訪れる。
「ラスト曲に感謝を込めて」と島袋が一言発すると、不意にアグレッシブなリズムのイントロが流れ始め、条件反射的に大歓声が上がる。この会場にいる人たちならば誰もが知っているSPEEDのデビュー曲「Body & Soul」だ。「この曲は1人じゃ歌えません!」と叫びながら島袋が呼び込んで登場したのは今井絵理子と上原多香子の元メンバーの2人。ステージに走り込んで姿を現した刹那、客席では尋常じゃない熱気が渦巻き、会場を物理的に揺るがす程の盛り上がりに達する。熱狂を超えてもはや“狂騒”と形容してもいい光景だった。
パワフルな歌声で自身のパートを歌う今井と、軽快に踊る上原の一挙一動に狂喜乱舞する観客の全員が、サビに合わせて拳を突き上げる。最後のサビに向かう「両手を広げて/大地駆け抜けて」から始まる島袋・今井の掛け合いは、カタルシスに向けて客席の興奮をグングンと加速させ、歓声のボリュームも急上昇させていった。ステージを端から端まで移動して客席に向けて肩を組みながら挨拶した3人は、とびきりの笑顔と「ありがとう!」という言葉を残してステージを後にした。
次のステージへの転換中も興奮は全く冷めやらず、歓喜と感動と驚嘆とがごっちゃになった感情をまだまだ消化し切れないように、会場は大きなどよめきに満たされたまま。雰囲気が変わり、盛り上がりのフェーズが数段階上がったことを客席全体が肌感覚で分かち合っていた。