中国との関係改善など要望  沖縄県の玉城知事、防衛相と会談

 
浜田靖一防衛相(左)に要請書を手渡す沖縄県の玉城デニー知事=28日、沖縄県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は28日、2日間の日程で来沖した浜田靖一防衛相と会談し、米軍普天間飛行場の辺野古への移設断念や、尖閣諸島をめぐる問題で外交により中国との関係改善を図ることなどを求める要請書を手渡した。玉城知事は、浜田防衛相に対し、過去3回の県知事選を踏まえて「辺野古反対の民意を真摯(しんし)に受け止め、対話に応じるよう要望する」と述べた。

 要請書では、▽辺野古基地建設の断念▽日米地位協定の抜本的な見直し▽尖閣諸島をめぐる問題▽県周辺海域における中国による危険な軍事訓練の中止を申し入れること―など16項目について要請した。

 会談で、玉城知事は中国が台湾周辺で実施し、県の周辺海域にもミサイルが落下した軍事訓練について「県民の生命と財産を守る観点から、今後行わないよう日本政府から中国政府に強く申し入れる必要がある」と述べた。

 さらに、尖閣諸島周辺海域における中国公船の領海侵入などが特に宮古・八重山地域の住民に不安を与えているとして、対話による外交によって同海域の安全確保や解決を図ることを求めた。また、締結から60年以上一度も改正されていない日米地位協定の抜本的な見直しを行う必要性も訴えた。

 浜田防衛相は、米軍基地のさらなる整理縮小について、「一つ一つ成果を出していくことが重要で、日米で合意したことを着実に実現していくことが負担軽減につながる」と述べた。

 また、南西地域の防衛体制強化は喫緊の課題だとして、自衛隊部隊の配置はわが国に対する攻撃への抑止効果を高めるものであり、防衛体制を目に見える形で強化するとの考えを示した。

 玉城知事は「沖縄が77年前に戻ってはいけない。つまり本土防衛の捨て石のような状況に置かれることは絶対にあってはならない」と強調し、改めて冷静な対話による外交努力を続けることを強く求めた。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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