曲折の歴史 那覇軍港返還はいつ実現するのか

 

 玉城デニー知事は8月19日、記者団に対し、跡地利用や軍港移転と合わせて計画される開発に経済的なメリットがあるとして「一義的に賛成、反対ではなく、どういう形でお互いに沖縄の将来を一緒に考えていくかという共通点の中から議論していきたい」と強調した。

 この翌日、沖縄の地元2紙には那覇軍港の浦添移設を疑問視する社説がそろって掲載された。沖縄タイムスは「基地の『たらい回し』は、目に見える負担軽減にはつながらず、そのような返還の在り方は認められない」と指摘。琉球新報も「貴重な海域を埋め立てる行為は(辺野古と)同じだ。軍港の県内移設を容認すれば、基地の固定化につながる」と批判的だ。

経済界は早期移設に期待

 浦添市では、移設される那覇軍港と整合性をとる形で西海岸でのリゾート開発などの計画が検討されている。開発が予定される那覇軍港跡地も含めて高いポテンシャルを有するエリアで、県内経済界の早期移設への期待の声は大きい。

 浦添市の受け入れ表明により前進を始めた計画は、スムーズにいっても15~20年を要する。これまでの経緯を踏まえれば、今後の進捗に曲折や難航も予想される。

次ページ:
1 2

3


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…
宮古毎日新聞

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ