曲折の歴史 那覇軍港返還はいつ実現するのか
- 2020/9/5
- 政治
玉城デニー知事は8月19日、記者団に対し、跡地利用や軍港移転と合わせて計画される開発に経済的なメリットがあるとして「一義的に賛成、反対ではなく、どういう形でお互いに沖縄の将来を一緒に考えていくかという共通点の中から議論していきたい」と強調した。
この翌日、沖縄の地元2紙には那覇軍港の浦添移設を疑問視する社説がそろって掲載された。沖縄タイムスは「基地の『たらい回し』は、目に見える負担軽減にはつながらず、そのような返還の在り方は認められない」と指摘。琉球新報も「貴重な海域を埋め立てる行為は(辺野古と)同じだ。軍港の県内移設を容認すれば、基地の固定化につながる」と批判的だ。
経済界は早期移設に期待
浦添市では、移設される那覇軍港と整合性をとる形で西海岸でのリゾート開発などの計画が検討されている。開発が予定される那覇軍港跡地も含めて高いポテンシャルを有するエリアで、県内経済界の早期移設への期待の声は大きい。
浦添市の受け入れ表明により前進を始めた計画は、スムーズにいっても15~20年を要する。これまでの経緯を踏まえれば、今後の進捗に曲折や難航も予想される。