キングス「第2章」へ 新社長の白木氏「世界に羽ばたくチームに」

 

選手がバスケに向き合える環境を

名前を紹介され、コートに駆け出していくキングスの選手たち=沖縄アリーナ

ープロトソリューションはJ2リーグのFC琉球もオフィシャルトップパートナーとして支援しています。沖縄のスポーツビジネスの可能性をどのように捉えていますか。

 「スポーツは、選手が涙を流すほど悔しがったり、観ている人が感動したりして、とても真っ直ぐな世界だと思っています。特に沖縄は、キングスやFC琉球、高校野球などスポーツを通じてアイデンティティが育まれる環境があるように感じます。それを企業がサポートして地域振興や子供に夢を与えることはとても大切だし、それによって沖縄の未来が変わる可能性もあると思います。スポーツを通じて『沖縄をもっと元気に』していきたいです」

ープロトソリューションとして、スポーツビジネスに参画したいという思いが以前からあったのですか。

 「5年ほど前から、スポーツビジネスをどうつくっていくかということをグループ全体で話す機会がよくありました。その時はチームを持つという話ではありませんでしたが、例えば360度カメラでプレーを分析しましょうとか、間接的でもいいからスポーツビジネスに入っていこうというトライはしていました」

絶えず笑顔でインタビューに応じる白木社長

ー他の事業と比較して、スポーツビジネスの特徴はどんな部分で感じますか。

 「勝っていればお客さんが入るのであればそれがいいですが、それだけではないという気がしています。隣のファンと一緒に応援するのが楽しい人とか、子供と一緒に興奮するのが楽しい人、この選手を応援したい人とか。競技ごとでも、バスケは展開が速いけど、サッカーは1点の重みがすごくある。観客によって見ている視点が1つではないというところは、難しい部分ですね」

ー選手たちとはどう向き合っていきますか。

 「怪我をした選手が早く復活できるような環境やチームが過酷なシーズンを戦い抜くための環境を整え、支えていくことが重要な役割だと思っています。少しずつ話をしながら、彼らが純粋にスポーツに向き合えるようにしたい。ビジネスユニットとして、我々はアリーナを満員に埋め尽くすということは責任を持ってやるので、選手たちには純粋にバスケを楽しんでいる姿を観客に見せてほしい。彼らはあの舞台に立てる本当に一握りの選手たちなので、スポーツを通じて、観ている人に夢を与えてほしいですね」

 PROTO Solution(プロトソリューション) 2007年4月設立。沖縄本社のほか、仙台に本社、東京にも支社を構える。中古車情報を掲載する「グー沖縄」、沖縄の不動産情報を扱う「グーホーム」などのウエブ媒体を運営するほか、自転車のシェアサービス「CYCY(サイサイ)」やコワーキングスペース「CODE BASE」なども展開する。

 白木享氏(しらき・とおる) 愛知県出身。1970年4月22日生まれ。1998年8月、プロトコーポレーションに入社し、2007年4月にプロトデータセンター(現プロトソリューション)代表取締役社長就任。2022年7月、沖縄バスケットボール代表取締役社長に就任。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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