2年4カ月ぶり! 沖縄への国内クルーズ寄港が再開 

 

感染対策徹底で受け入れ機運醸成

町内を観光するため、団体バスに乗り込むクルーズ客

 クルーズの受け入れ再開に向け、港湾や医療、搬送、観光の関係機関で構成する県クルーズ船受入協議会は対応方針をまとめた。

 「ぱしふぃっく びいなす」を運行する日本クルーズ客船は神戸港を出港する前に乗客、乗組員にPCR検査を実施し、全員の陰性が確認された上で出発。小規模離島は医療体制が脆弱なことから、平良港に入る前には船内でさらに抗原検査も行った。協議会では、感染者が確認された場合に那覇港や中城湾港でも受け入れることを確認していた。

 日本クルーズ客船の松田義則海務部次長は、利用客の平均年齢が70歳前後と高齢なことから「県外に比べて温暖な沖縄は冬場の需要が大きい」とした上で、「陸続きではないので飛行機か船でしか行けない。先日の宮古も含め、関西から直接行けるというのは非常に魅力的な旅行商品です」と話した。今後については「まだ県外の港に比べると条件が厳しいので、感染状況を見ながら(条件が)軽くなっていけば、寄港も多くなってくると思います」と見通した。

 行政や関係業界、クルーズ会社が連携し、県民の安心を担保しながら受け入れの機運を醸成し、徐々に寄港回数を増やしていく考えだ。

コロナ前の19年は最多600回近く

 沖縄総合事務局の統計によると、コロナ禍に入る前の県内へのクルーズ寄港回数は年々増加し、2019年には600回近くに達した。しかし20年は34回に急落。同年2月、集団感染が発生した「ダイヤモンド・プリンセス」が那覇港に寄港した際、乗客が市内を観光して感染が広がり、それ以降はクルーズ船の県内への寄港が停止していた。

 現状では、年内の県内への国内クルーズ船寄港は今回の平良港と本部港のみになる見通し。今後は外国クルーズの受け入れ再開時期も焦点になる。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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