これからの沖縄振興について今一度考えてみる 第6次計画を読み解く

 

具体的な政策に必要なのはエビデンス

 ―今回は近年よく聞くようになった「SDGs」「多様性」の理念も盛り込まれました。

「全体的に見ると前回計画をおおむね踏襲しているようで、県政に大きな修正はないと受け止めています。子供の貧困対策やSDGsなど新たに加わった分は、県民の関心・ニーズをくみ取ったもので正しい方向性でしょう。

 開発経済学の流れで言うと、戦後は大きな開発計画がいくつもあった中で、最初は輸入をなるべく減らして輸出を頑張ろうというタイプの戦略があったり、あるいは市場メカニズムを使おうといった戦略があったり、マクロな開発戦略が90年代までは主流でした。

 しかし、2000年代以降からはエビデンスが凄く重視されるようになっているんです。経済学者はマクロな話にあまり興味が無くなっているんですよね。比較的小規模で実証実験をして、政策に効果があるかないかを確かめて改善していく、というプロセスが主流になっています。

 SDGsは貧困削減や初等教育など、大きなゴールを示しているれど、具体的に何をすればいいかまでは示していない。具体的な政策に必要なのはエビデンスなんです

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