「劇場に一生を捧げた人生」首里劇場・金城政則館長を偲び、お別れ内覧ツアー

 
首里劇場の金城政則館長(2021年撮影)

 沖縄最古の映画館であり芝居小屋でもある那覇市首里の「首里劇場」館長の金城政則さんが4月、癌のため亡くなった。6月5日、金城館長を偲びながら沖縄の大衆娯楽文化に思いを馳せる「首里劇場お別れ内覧ツアー」(主催:首里劇場友の会、首里劇場調査団)が開かれ、関係者や地域の人たちが集まった。

 館内をガイドした首里劇場友の会の平良竜次さんは「政則館長は50年間ずっと首里劇場で働いてきました。映画館を守るために一生を捧げたと言っても過言ではないでしょう」と追悼した。
 首里劇場の今後についてはまだ正式に決まっていないが、老朽化がかなり進んでいるため取り壊しの可能性が高いという。ただ、劇場が貴重な文化資源であることを踏まえ、友の会・調査団で記録と保存の道を模索している。

“再スタート”から間もなくの訃報

 首里劇場は1950年に演劇・映画の双方を上演・上映する劇場として現在の形態で営業を開始。70年代から成人映画の上映を始め、近年まではその専門映画館としてファンに支えられてきたが、昨年には過去の名作を上映する名画座として“再スタート”したところだった。
 HUB沖縄ではそのタイミングでも取材し、当時は金城館長が元気な姿を見せていたので、訃報を耳にした時は衝撃を受けた。

 上述したように劇場は貴重な文化資源で、一部建て替えはあるものの総木造の戦前スタイルの建物で、県内に現存するのは首里劇場が唯一という。そのため、館内のどこを見渡しても歴史を感じるし、同時に物理的な古さも感じる。

ステージ上からの光景。場内には思い思いの場所で語らう参加者たち。2階部分中央の光が映写機だ

 例えば、劇場内に設置されたイス。よく見ると、いやよく見なくとも種類の違う様々なイスが並ぶ。これは他の映画館が閉館する際にもらってきたものだそうで、当然経費削減という面もあったのだろうが、他のいくつかの劇場が積み重ねてきた歴史を首里劇場が引き取ったようにも思えて感慨深い。

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