大量の軽石、撤去の後はどうする? 岩石鉱物学の教授に聞いてみた

 
浦添市の海岸に流れ着いた軽石(11月11日撮影)

 10月中旬に沖縄県への軽石漂着が確認されてから1ヶ月以上が経った。軽石は漁業や観光、周辺離島の海路も含めて多方面に影響を及ぼしており、現在も撤去作業が続いている。今後もさらに沖縄に漂着する可能性や本州や先島への到達も予測されており、収束の目処は立っておらず、撤去した軽石の保管場所の確保も問題視され始めている。
 軽石の性質や撤去後の保管方法・利用方法について、総合地球環境学研究所および琉球大学理学部で、岩石鉱物学や地球化学を専門としている新城竜一教授に話を聞いた。


長期間海上を漂う可能性

 ―そもそも軽石はどういう物質で、どうやってできたものなんでしょうか。

軽石はもともとはマグマそのもので、マグマが固まったものなんです。海底火山の中で『マグマ溜まり』と呼ばれる所に溜まっていた既存のマグマが、さらにその下からやってきたマグマに押し出されて噴火した際、マグマに溶け込んでいたガスの成分が溶け込みきれずに発泡した状態で瞬間的に固まって軽石になります。だから穴がとてもたくさん空いている岩石になるんですね。
 今回流れ着いた軽石はケイ酸の成分が多くて白っぽいものが多いです。よく見ると、黒いポツポツとした部分や、引き伸ばされた筋状のものが見えます。これが噴火の引き金と考えられる、下からやってきたマグマの一部です。つまり2種類のマグマが噴火したということで、こうした現象は日本の火山では普通に見られるものです。

「ちなみに、前回同じ火山由来の軽石が漂着したのは35年前の1986年で、その時私は琉球大で修士課程の大学院生でした。その当時は今回ほど大量に流れ着いてはおらず、こんなに多くの報道がされてはいませんでしたね。当時の新聞記事なども探してみましたが、漂着した事実ベースのものがちょこっとあるくらいだったと思います」

 ―軽石は文字通り“軽い”物質だと思うんですが、海上で浮いて漂うのはどれくらいの期間に及ぶと予測されますか。

「軽石は浮き袋みたいなもので、本当に比重が軽いんです。内部の空気が簡単には抜けません。先に言ったように噴火の際にマグマが急激に固まったことで、気泡の周りが結晶化できずにガラス質になっていて、気泡が閉じ込められているのでなかなか沈みません
 現在、軽石の成分を分析するために与論島で採取したサンプルを板状にして蒸留水につけて塩抜き作業をしています。100℃より少し低い温度でぐつぐつ煮たり、吸引装置にかけたりして、けっこう強引なやり方でやっているんですが、なんと1週間同じ作業を続けても沈まないんです。具体的な期間までは計りかねますが、海上で浮遊しているものが自然に沈むようになるにはかなりの時間がかかると思います」

軽石の性質について説明する新城竜一教授
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