天皇皇后両陛下が戦没者慰霊 即位後、初の沖縄訪問

 
国立沖縄戦没者墓苑で供花後、遺族と交流される天皇、皇后両陛下=22日、糸満市摩文仁

 天皇、皇后両陛下は22日、即位後初めて沖縄県を訪れ、太平洋戦争末期の激戦地となった糸満市摩文仁にある沖縄平和祈念堂や平和の礎などを巡られた。国立沖縄戦没者墓苑では、供花、拝礼した後、県遺族連合会の遺族らに声を掛けながら交流された。両陛下は23日、宜野湾市で「美ら島おきなわ文化祭2022」の開会式に出席される。

 両陛下は午後2時46分、沖縄戦で亡くなった18万人余の遺骨を納めた沖縄戦没者墓苑に到着し、供花、拝礼された後、炎天下の中、額に汗を浮かべながら約20分間にわたり沖縄戦の遺族ら一人ひとりに言葉を掛け、沖縄戦での出来事などを聞き取られた。

国立沖縄戦没者墓苑で、供花をされた天皇、皇后両陛下=22日、糸満市摩文仁

 9歳の時に沖縄戦で父親を含めた5人の家族を亡くしたという照屋苗子さん(86)は「両陛下の表情から、上皇ご夫妻の心を引き継がれていらっしゃると感じた。長い時間、一人ひとりにお声掛けをしてくださり、私たち遺族に対して深いお心を寄せていただいていて、感謝しています」と語った。

 玉城デニー知事は21日の定例会見で、本土復帰50周年のタイミングでの両陛下の訪問について「行幸啓されることは、多くの県民にとっても非常に喜ばしいことで歓迎を申し上げる」と強調した。

 また、「これまでの経緯や現状、これからの沖縄県が目指そうとしていることを私からもご説明し、県民の思いについても心を寄せていただければと思う」と述べた。

戦没者の名が刻まれた「平和の礎」をご覧になる天皇、皇后両陛下=22日、糸満市摩文仁(代表撮影)

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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