キングスが準決勝進出に王手 第1戦で秋田に74ー60

 

秋田のスリーポイント成功数4本に抑える

秋田のエース古川孝敏を起こす今村佳太。試合中はマッチアップする時間が多く、今村は常に激しいプレッシャーを掛け続けた

 レギュラーシーズンのスリーポイント成功率が37.8%でリーグ1位だった秋田。当然、キングスにとっては「いかに相手のスリーの本数を減らすか」(桶谷HC)が勝負のポイントだった。

 序盤こそガード、フォワード陣が距離を詰めてもビッグマンが寄せ切れずに簡単に打たれる場面はあったが、徐々に連携や強度を高め、フリーで打たれる機会を減らしていく。相手のスクリーンに対してもシューター側を抜ける力強い守備で容易にズレをつくらせず、スリーポイント試投数の平均が25.2本の秋田に18本しか打たせず、成功は4本のみだった。

 「プレーオフに向けて心も体も準備してきた。どういう流れでもチームを引っ張っていくという気持ちでやった」と力強く振り返った並里は、相手の攻撃について「思った以上にスクリーンのタイミングがうまかった。そこを皆で協力して、引き続きスリーを抑えるゲームプランをしたい」と第2戦を見据える。

 レギュラーシーズンは平均17.0点で、秋田の得点源であるジョーダン・グリンをドウェイン・エバンスやジャック・クーリーの攻守でほぼフリーにさせず、わずか7得点に抑えたことも勝利を呼び込む原動力となった。

秋田HC「修正すればチャンスある」

第4Q、右サイドからドライブで仕掛ける秋田の田口成浩(左)

 一方の秋田は大事な初戦を落としはしたが、悲壮感はない。前田顕蔵HCは「リバウンドやオフェンスを修正すればチャンスはあると思える試合だった」と振り返る。今季開幕前の練習試合や昨年12月の天皇杯は「琉球にコテンパンにやられてる」とした上で「全然戦えてる印象。明日はチャレンジしたい」と前を向く。

 チームトップの13得点で秋田を牽引した川嶋勇人も「勝ちたかったのが第一にあるけど、琉球とも戦えるチームになってる印象はある」は自信をうかがわせる。「明日はやっちゃいます」と不敵な笑いを浮かべた。

 対するキングスは連勝で準決勝進出を決めたいところ。CSは優勝するためには最低6試合、決勝までを全て2勝1敗で勝ち上がると最多で9試合をこなすことになるため、なるべく少ない試合数で勝ち上がって心身を温存したい。

 それを踏まえ、並里はこの勝利を「大きい1勝」と位置付け、「なるべく2勝0敗で勝ちたいという思いはある」と胸の内を語った。

CSの舞台で会場を盛り上げるキングスダンサーズ

 第2戦に向け、桶谷HCが課題に上げたのはターンオーバーの多さ。第1戦はレギュラーシーズンの平均12.0本を上回る14本となり、「ターンオーバーをなくし、チームとしていいシュートをしっかり打ちたい」と修正を誓う。

 秋田が得意とするスリーポイントについても「オープンショットを打たれることも多く、相手が外してくれてラッキーだった。明日はどうなるかわからない。得意なところを出させないようにしたい」と気を引き締めた。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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