キングスが準決勝進出に王手 第1戦で秋田に74ー60
- 2022/5/14
- エンタメ・スポーツ
初優勝を目指すキングスが大事な初戦を白星で飾った。
プロバスケットボールBリーグ1部西地区1位の琉球ゴールデンキングスは13日、チャンピオンシップ(CS)準々決勝第1戦を沖縄アリーナで行い、東地区5位でワイルドカード下位の秋田ノーザンハピネッツに74ー60で勝利した。2戦先勝方式のため、14日の第2戦で連勝すれば準決勝進出が決まる。
入場でサプライズ 田代主将が「アシスタントコーチ」
入場演出はカラフルなライトが複数設置され、CS仕様の豪華なオープニングで幕を開けた。昨年11月に全治10カ月の大けがで今季の復帰が絶望的となっている田代直希主将が約半年ぶりに選手登録され、入場するサプライズも。田代の名前がアナウンスされると、会場が「ウワッ」と沸き、拍手が一段と大きくなった。
桶谷大HCが背景を説明する。
「コーチ陣が見えてる目線だけでなく、田代が『選手の感覚を話したい』と言ってくれたので、僕たちも聞きたいと思った。もう1人コーチがいる感じで、アシスタントコーチの役割をしてもらいました」
田代は試合中ベンチに座り、選手と頻繁に話をしたり、審判にアピールしたりして存在感を発揮。チームが掲げる「団結の力」の一端が垣間見えた光景だった。
フリッピン、並里が流れ呼び込む
レギュラーシーズンの平均失点の少なさが3位のキングスと4位の秋田の一戦。試合の入りからお互い激しい守りを仕掛けるが、キングスはスクリーンでズレをつくられ、相手の得意とするスリーを決められてなかなか流れを掴めない。ゾーンやマンツーなど目まぐるしく変わる秋田の守備にも手を焼いた。
重たい立ち上がりだったが、コー・フリッピンが流れを変える。4点差を付けられた第2Q開始1分過ぎ。高い位置から相手ガードに激しいプレッシャーをかけて2連続でスチールを奪い、連続得点で同点に。秋田はたまらずタイムアウトを取得した。
ビッグプレーを見せたフリッピンの脳裏にあったのは、レギュラーシーズン最終盤で負傷して欠場が続き、久しぶりの公式戦となったアレン・ダーラムのことだった。ダーラムは第1Qからコートに立っていたが、持ち前の機動力の高さやゴール下での力強さが影を潜めていた。
「ダーラムは皆と一緒にプレーするのは久しぶりだったから、エネルギーを与えたかった」とフリッピン。昨季は千葉で優勝を経験し、キングスで迎える初めてのCSの舞台。「この球団に1つでも多く勝利をもたらし、優勝できるように頑張りたい」とチームのために体を張る。
7点リードで始まった第3Qには、今度は並里成が魅せる。開始3分ほどでチームはシュートミスやファウルが続いて悪い流れになりかけていたが、岸本隆一と交代で入った並里がスリーポイントと単独速攻からのレイアップを連続で沈めて勢いをもたらした。
第4Qには相手シューターに連続得点されて一時4点差まで詰め寄られたが、桶谷HCがすぐにタイムアウトを取って守備を修正し、再び突き放して勝ち切った。