キングス、シーズン再開初戦を白星スタート 牧隼利が約9カ月ぶり復帰

 
約9カ月ぶりにコートに戻ってきた牧隼利=11月19日、沖縄アリーナ(長嶺真輝撮影)

 プロバスケットボールBリーグの1カ月近くに及んだバイウィーク(試合がない期間)が明けた19日、西地区の琉球ゴールデンキングスが再開初戦を勝利で飾った。

 同日午後、沖縄アリーナに西地区最下位の滋賀レイクスを迎え、相変わらずの堅守ぶりを発揮して72-51で快勝。通算成績は8勝2敗となり、順位を西地区2位に上げた。昨シーズンに右足首を負傷し、手術後のリハビリに専念していたシューティングガードの牧隼利が約9カ月ぶりに復帰した。会場には6,901人の観客が詰め掛けた。

クーリー&ダンカンがインサイド支配

オフェンスリバウンドを奪うジョシュ・ダンカン

 先発のジャック・クーリー、ジョシュ・ダンカン、今村佳太、岸本隆一、小野寺祥太が激しいプレッシャーを仕掛け、序盤からキングスペース。特にクーリーがゴール下で存在感を発揮し、前半だけで13得点、6リバウンドを記録した。チームは前半の失点をわずか25点に抑え、14点のリードを奪った。

 第3クオーター(Q)も今度はダンカンがインサイドで体を張り、このクオーターだけで11得点の活躍を見せ、さらに10点リードを広げた。最終クオーターは大きく点差が離れた影響もあってか、集中力が落ちて9本のスリーポイントを全て落とし、若干得点は伸び悩んだが、危なげなく勝ち切った。

 最終的なスタッツではリバウンドの本数で56対43と大きく上回り、勝敗を分けるポイントとなった。

牧「いかに起点になるかが鍵」

ドライブを仕掛ける牧隼利

 この試合のハイライトは第1Qの中盤。今村佳太と交代し、背番号88の牧がコートに入ると、会場に盛大な拍手が湧いた。まだコンディションや試合勘が戻っておらず、「いい意味でそんなに自分に期待していなかった」というが、多くのキングスブースターに温かく迎えられて「やっと帰ってこられたという気持ちでした」と穏やかに笑った。

 昨シーズン、初めてファイナルの舞台まで駒を進めたキングス。東京体育館での宇都宮との連戦は「すごく複雑な気持ちで、素直に応援できない自分がいたのも事実です」と率直な心境を振り返る。その上で「その気持ちをしっかり受け止めた上で今の自分がある。今季は再びあの舞台に立つことがチームの目標でもあり、自分の目標でもあります」と力を込めた。

 今季のチームについては「比較的ボールが流れるようなバスケになっている」と分析。松脇圭志が加入したことでチーム内の競争も激しさを増していることから、「今季はよりできることを増やさないと、出場のチャンスがないという危機感もある。点を取るだけでなく、いかに起点になるかが鍵になると思っています」とレベルアップを誓った。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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