「基地問題の早期解決」求める 沖縄県、復帰50年で建議書

 
復帰50年の新たな建議書を発表する玉城デニー知事=7日、沖縄県庁

 復帰50年を迎えるのを前に7日、沖縄県の玉城デニー知事は県庁で会見し、「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を発表した。同建議書では、在沖米軍基地のさらなる整理縮小、日米地位協定の抜本的見直し、米軍普天間飛行場の辺野古移設断念を求めた。また、「構造的、差別的とも言われている沖縄の基地問題の早期解決」も訴えている。

 沖縄では復帰の前年となる1971年11月、当時の琉球政府が「復帰措置に関する建議書」を作成。この中では、米軍基地の撤去や自衛隊の配備反対を掲げたほか、政府に対して地域と連携した経済振興も要請していた。

 その後、政府は5次に渡る沖縄振興計画を実施し、今年4月には県が2022~31年の10年間を計画期間とする新たな計画の最終案も取りまとめるなど、引き続き沖縄振興策が継続する形となっている。

 ただ、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、県と政府は激しく対立。一方で、在沖米軍をめぐる事件・事故も続き、沖縄の基地負担軽減は政府にとって解決すべき大きな課題だ。

経済面で成果も自立経済「道半ば」

 今回、新たに取りまとめられた建議書では、経済面について「2019年の入域観光客数は1000万人を超え、情報通信関連産業の立地が進み、雇用情勢が大幅に改善するなど着実に成果を上げてきた」と評価した。

 県民所得が全国の約7割の水準にとどまるなどで「自立型経済の構築は道半ば」とも指摘。政府に対しては「地元の意思を十分に尊重しつつ、国家戦略として沖縄振興策を総合的かつ積極的に推進する方針を堅持してほしい」と求めた。

 他方、米軍基地問題では「辺野古新基地建設に反対する民意が明確に示されているにもかかわらず、国は県民の思いを顧みることなく埋立工事を進めている」として政府を厳しく非難したほか、外交や対話による地域の平和構築を要請した。

 アジア太平洋地域では、安全保障環境が厳しさを増していると言われる。政府は「力による一方的な現状変更を認めない」と繰り返し強調してきた。

 また、ウクライナ情勢は、地域の安全保障が急激に悪化する場合があることも示した。7日の会見で、沖縄が地域の緊張緩和に貢献する方法を問われた玉城知事は「県は北京、台北、ソウルにも事務所を置いている。観光振興や文化交流、経済振興のためにうかがう機会を作っていきたい。普段の交流が非常に重要だ」と述べた。 

 復帰50年を前に取りまとめられた新たな建議書。10日にも玉城知事が上京し、岸田文雄首相や駐日米国大使らに手交するという。政治に翻弄されてきた県民のためにも、国と県の対話と地道な取り組みが求められる。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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