沖縄県勢初のTリーガー誕生 上江洲光志の勇ましい卓球人生とは

 

突然の休部 「まだやり切れていない」

 それは突然の一報だった。今年の2月11日、スマートフォンのLINE通知が鳴った。チームの選手と監督が入っているグループLINEに記されていたのは、こんな一文だった。

 「東京アート卓球部の休部が決まりました」

 来季に向け、団結力を高めていた矢先の報告だった。「何の前置きもなく、急にラインがきた。頭が真っ白になりましたよ」。4日後の15日に正式発表され、突如として所属先を失った。ただ、まだ26歳で選手として脂の乗っている時期。「自分の中ではまだやり切れていなくて、まだまだやるつもりでした」と、現役でプレーするという意思は固まっていた。

壁に飾ってあった自画像について聞くと、「ファンからもらったものです」とカメラに近付けて見せてくれた

 休部発表後、実業団のチームなどから選手契約やコーチの打診が舞い込んだが、一番早く連絡をくれたのが琉球アスティーダの張一博監督だった。Tリーグが開幕した初年度からアスティーダに誘いを受けていたという上江洲。「5シーズン目になる今でも誘ってくれることに感謝を感じたし、嬉しかったですね。話をもらった時にはもう前向きでした」と、入団を決めるまでにほとんど時間はかからなかった。

沖縄の子に自信を 誓う優勝

 中学入学と同時に沖縄を離れ、15年。故郷への思いを聞くと、頼もしい言葉が返ってきた。

 「自分のこの経験、ノウハウを沖縄の子どもたちに伝えられるのは僕しかいない、という使命感を持っています。自分が頑張って輝かしい成績を残せば、『自分もやれるんだ』と思ってもらえるんじゃないかと考えています」

 契約発表時、アスティーダの早川周作代表も「この機会にジュニア育成にもより一層力を入れ、これからたくさんの沖縄出身のプロ卓球選手を生み出していけるように取り組んでまいります」とコメントしており、国内の一線で培ってきた上江洲の経験は沖縄卓球界の発展に向けた起爆剤になるかもしれない。

 2020ー21シーズンに初優勝を達成したが、21-22シーズンは3位でファイナル進出を逃したアスティーダ。上江洲は「優勝できるようにみんなで頑張りたい」と笑顔で語り、開幕を心から楽しみにしているよう。「盛り上げていくので、熱い応援よろしくお願いします」とファンに呼び掛けた。

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 明るいキャラクターを生かし、3月には「UZうちなんちゅ」のアカウント名でユーチューブチャンネルを開設した上江洲選手。国内トップ級の選手とコラボした真剣な練習動画や多彩な企画で自身の魅力を発信しているので、こちらにも注目だ。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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