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沖縄でおなじみ“シロイカ”が瞬時に体色変化 OISTが初記録
- 2022/4/15
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沖縄で「シロイチャー(シロイカ)」と呼ばれているツツイカが、周囲の環境に合わせて体の色を変化させる「擬態」をすることが、沖縄科学技術大学院大学(OIST)物理生物学ユニットの研究チームによって初めて明らかにされた。学術誌「Scientific Reports」に3月28日に発表された。ツツイカが泳ぎながら瞬時に体の色を変える様子を収めた動画が、同大学のHPで公開されている。
実験では、ツツイカ数匹が入った水槽の半分を掃除し、残りの半分は藻類に覆われたままにしておくことで水槽内に明暗2色の環境を作った。観察の結果、藻類が無く明るい側にいたツツイカが藻類の上に移動すると、たちまち黒っぽくなった。
これまで、タコやコウイカが体色を変化させて擬態することは知られていたが、ツツイカに関してはそのような能力が報告されていなかった。同じイカやタコの仲間でも、ツツイカの多くは外洋に生息しているため、飼育が難しく、擬態に関する研究が進んでこなかったという。ツツイカの行動を明らかにしていくことで、保護活動に役立てることが期待される。
筆頭著者の一人であるズデニェク・ライブネル博士は「ツツイカのこの能力にこれまで誰も気づかなかったことにも、いまだに驚いています。これらの動物について、知らないことがいかに多いかということが分かります」と生物研究の奥深さを語っている。