新型コロナ警戒レベル引き下げ 沖縄県
- 2022/2/25
- 新型コロナ・医療
沖縄県の玉城デニー知事は24日、新型コロナウイルス感染対策に係る県警戒レベルを、3Aから2に引き下げると発表した。新型コロナ用の病床使用率がレベル2の判断基準(50%)を下回り、23日時点で41.7%と減少傾向を維持しているとし、対策本部会議で決定した。玉城知事は、経済対策を段階的に再開する方針を示した上で、県民に感染対策の継続も求めた。
県内の新規感染者数は、1月15日の1829人をピークに減少し、一時は全国ワーストを続けていた直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)も全国平均を下回っている。県に適用されていた「まん延防止等重点措置」も、2月20日までで解除されたが、新規感染者数に下げ止まりの傾向もみられている。
一方、経済界からは経済対策を求める声が強い。これまで、県は警戒レベルが2となった場合には、域内観光需要の喚起策「おきなわ彩発見キャンペーン」事業などを再開していくとして説明しており、今回の引き下げに伴って事業再開の方針を打ち出した。
ただ、新規感染者数が高止まりし、1人の陽性者が何人に感染させたかを示す実効再生産数が沖縄本島や八重山地区で1を超えていることから、県は「感染の再拡大を抑制しつつ、どんな形で再開できるか、関係者の意見を聞きながら調整している」とした。
県は、3~4月は移動や交流が活発になると想定し、感染拡大を抑制するために3月末までを「感染再拡大抑制期間」と設定している。玉城知事は、県民などに感染防止対策を呼び掛けるとともに、ワクチンの3回目接種を推進して65歳以上の追加接種を3月末までに70%まで引き上げると強調した。
知事選に向け出馬明言せず
同日は、開会中の県議会で、県政与党の県議が秋に控える知事選に対する玉城知事の意向を問うという注目の質問があった。ただ、玉城知事は、これまでの実績を強調したものの「まずは、掲げた公約の実現に向けて、残り任期に全力を尽くしていく」との認識を示すにとどめた。当初、県政与党の質問に答える形で出馬表明するともみられていたが、明言は避けた。
質問した県議とは別の県政与党県議は、取材に対し、「今日、表明すると決まっていた訳ではないと思う。(出馬表明を)やるなら与党で代表者会議を持ち確認していたのではないか」と述べた。ほかの県政与党県議は、これまでの実績を示したのは、それを前進させたいという気持ちの表れではないかとしつつ、「(出馬への)準備が始まったという考えで良いのではないか」との認識を示した。
一方、県政野党県議は玉城知事の答弁について「周りからもっと盛り上げてほしいということではないか」と分析した。
全国の自治体と同様、新型コロナ対応に追われる沖縄だが、夏の参院選、秋の知事選に向けて、「選挙イヤー」の様相も強まりつつある。今後の動きが注目される。
(記事・写真 宮古毎日新聞)