沖縄、感染者が再増加傾向 新型コロナ
- 2022/3/4
- 新型コロナ・医療
沖縄県の玉城デニー知事は3日、県庁で会見し、新型コロナウイルスの新規陽性者数が県内で増加傾向にあることを強調して感染対策の徹底を訴えた。玉城知事は、「職場などで感染を広げないためにも、体調に不安がある方は無料検査を利用してほしい。少しでも症状がある方や体調の悪い方は、外出や人と会うことを控えてほしい」と呼び掛けた。
県内では1月初旬、全国に先駆けて「第6波」の感染が急速に拡大し、1月9日~2月20日まで「まん延防止等重点措置」が適用されていた。新規陽性者数は1月15日の1829人をピークに徐々に減少していたが、直近1週間は前週を上回っている。
また、直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)を見ても、まん延防止等重点措置が延長される方向性となった東京都や大阪府が低下しつつあるのに対し、沖縄県は逆に再上昇する傾向がみられている。
玉城知事は会見で、「感染者の数が高止まりからリバウンドしつつある。ここで急拡大すれば、急ブレーキを踏まなければならない状態も想定しなければならない」と危機感を露わにした。
また、県内で10歳未満の感染者が多い現状を踏まえて「保育所における感染症対策ガイドラインなどを踏まえて感染リスクが高い活動を避け、園児や職員の健康管理を徹底してほしい。お父さん、お母さんは、帰宅時の手洗いなど基本的な感染対策を、お子さんと一緒に実践してほしい」と述べた。
さらに、「学校においては、マスクを外したり、大人数で密集したりする場面を減らしてほしい。県教育庁からも、部活動実施時について一層の感染対策をお願いする文書を送付した」と強調した。
県内の病床占有率は、3日時点で45.2%。まん延防止等重点措置を再要請する基準として県が定めた60%には達していない。感染の再拡大傾向に対応するため、県では学校でのPCR検査を再び拡充するほか、65歳以上のワクチン追加接種率を3月末までに70%とするとしている。
ただ、県では「感染が急激に拡大する場合には、あっという間に(病床占有率が)60%を超す」と分析。移動や交流が増える3月での感染急増を強く警戒している。県保健医療部の糸数公医療技監は「症状があるときには会社を休むことや、飲み会に行かないなど基本的な所で一人一人がブレーキを踏むと感染も広がらないで済む」として、感染対策の徹底を訴えた。第6波を乗り越えたかに見えた沖縄に、再び正念場が訪れようとしている。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)