国頭村知花村長インタビュー 沖縄島北部、世界自然遺産登録

 

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が7月26日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)によって世界自然遺産に登録された。3年前にいったん登録が延期とされた経緯もあるが、今年5月には諮問機関である「国際自然保護連合」から「生物多様性や希少種・固有種の保全に重要な地域として、「登録が妥当」との勧告を受けていた。沖縄島北部で、豊かな森林を有する通称やんばる地域にある沖縄県国頭村の知花靖村長は「世界自然遺産への登録はゴールではなくスタートだとの気持ちで、人と自然が調和していく村づくりをしていきたいと考えています」と今後を見据える。

「ほっとしたという思い」

―世界自然遺産への登録を受けて、どのような思いでしょうか。

「2018年に登録が延期され、さらに2020年には新型コロナの影響で委員会自体が中止になっていたので、今回無事登録されてほっとしたという思いです。世界に類まれない自然環境の保全・活用をしていきたいです」

「村民も待ち望んでいたと思います。『自分たちの住んでいる地域は世界的に価値のある場所だ』ということを再認識してもらえたらと思います。ここで生まれ育った子どもたちや、国頭村出身者が地元に誇りをもってほしいです。コロナ禍の中で明るいニュースになるかと思います」

―登録延期したという点では、一度宿題を突き付けられたという形でした。

「やんばる国立公園のエリア内のうち『特別保護地区』と『第1種特別地域』にあたる部分が当初の推薦地でしたが、その区域だけを見ると飛び地が多くあり、区域一帯としての連続性が欠けているとの指摘を受けていました。それを解消するために、国や県と連携して、地権者の理解も得ながら飛び地を無くす努力をし、さらに米軍北部訓練場の返還地も加えることで、推薦地としての連続性を確保することができました」

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