「まん延防止措置」に石垣市を追加 大規模施設に時短要請

 

 政府が「まん延防止等重点措置」の実施期間を5月末まで延長したことを受け、玉城デニー知事は9日、県の方針を発表した。新たに対象地域として石垣市を加えるほか、国の方針に従って対象地域内の大規模施設へ営業時間の短縮を要請する。県全域の飲食店などへの時短要請の期間も31日までとした。

 まん延防止等重点措置の延長は、政府が7日に決定したもの。玉城知事も同日の会見で、変異株の検出率が県内で上昇していることや、ゴールデンウイーク後に新規感染者数が増加する懸念があること、医療提供体制のひっ迫が続いていることなどを指摘して「延長せざるを得ない」と述べていた。

 県は、石垣市の追加について、「これまで(同市での)感染は収まっていたが、直近は複数人の感染が確認されている。急速な感染拡大につながるのではないかという状況で、地元と意見交換しながら飲食に関する対策を強化することになった」としている。

 石垣市が対象地域に加わるのは12日からで、まん延防止対象地域は県内全11市と北谷、西原、与那原、南風原、八重瀬の5町を含めた16市町となる。

大規模施設への時短要請は国の方針

 今回、県は対象地域16市町で、床面積1000平方メートルを超える映画館や劇場、遊戯施設、博物館、体育館、大規模小売店やショッピングセンター(食品、衣料品、医薬品などの部分を除く)などに対して、営業時間の短縮を要請した。期間は5月14日~31日。

 映画館や劇場などは午後9時まで、遊戯施設や博物館、体育館、ショッピングンセンターなどは午後8時までの営業とするよう求める。県によると、対象施設は約1500店舗程度になるという。

 県は、「国の対処方針が変更され、まん延防止等重点区域に指定された都道府県は大規模施設等に対して協力要請をすることになった」としている。協力金は国の財源から用意されるといい、短縮される営業時間に応じて協力金が支払われる。

コロナ対策で抗原検査を活用へ

 玉城知事は、9日の会見で、経済関係団体からPCR検査の拡充やワクチン接種の早期実施を求める意見があったことを踏まえて「現行の検査体制に加え、簡易検査キットによる抗原検査などを活用した検査体制を拡充し、まずは高齢者施設へキットを配布する」と述べた。

 また、ワクチン接種については、「民間委託も検討するなど迅速な接種に取り組む」との姿勢を示した。

 県内では、感染力が強いN501Y型の検出率が徐々に上昇して6割に迫っているほか、新規感染者数で下げ止まり傾向もみられている。今後は感染者数が反転して増加する可能性もあり、感染拡大防止と経済対策の双方で県の手腕が問われている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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