JTA、経常損益85億円の赤字 新型コロナが影響

 
2021年3月期の決算発表であいさつする青木紀将社長=7日、那覇市のJTA本社

 日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)は7日、2021年3月期の決算を発表した。新型コロナウイルスの影響による旅行者減や県民の移動自粛により、売上高は前期比55.3%減の191億円、営業損益は84億円の赤字、経常損益は85億円の赤字、当期純損益は60億円の赤字の減収減益となり、過去最大の赤字幅となった。

 売上高の約8割を占める旅客収入は、前期比59.9%減の150億円。旅客需要が大幅に減少したことで運航便数を調整した結果、2019年の2万5612便から20年は1万6743便に減少したという。

 同社は「1年を通してずっと低迷していたわけではなく、県内での彩発見キャンペーンやGoToキャンペーンなどの需要喚起策では、機を逃さず回復需要を取り込むことができた」としている。

 貨物・郵便収入は、新型コロナと前期の消費税増税などの影響で全般的に減少傾向となった。ただ、先島地区-那覇線の減便に伴う貨物滞留を回避するため、県の補助を活用した貨物臨時便を200便設定してピーク期の生鮮貨物の輸送に取り組み、同20.4%減の17億円にとどめた。

  収入が大幅に減少する一方、営業費用は自社で航空機の整備を行うなどの見直しを行い、前期の342億円から同19.3%減の276億円に圧縮した。青木社長は「社員の頑張りによって、赤字幅を極小化できたと考えている」と強調した。

21年度は黒字化目指す

 青木社長は、21年度の見通しについては、夏場の需要回復と秋以降の渡航緩和を前提として、売上高を332億円、営業費用316億円、当期純利益11億円として黒字化を目指す方針を示した。

 今年度は新たな中期経営計画の初年度となることを踏まえ、「20年度で棄損した財務体制を21年度、22年度で回復させ、残りの3年でさらなる成長する」と述べた。

 また、新型コロナが収束後も、コロナ前の状況には戻らないと指摘した上で、地元沖縄の課題解決や、社会貢献に資するツアーなどが求められているとして「自治体や他の企業と連携して作り上げ、沖縄の振興に貢献していきたい」とも語った。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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