玉城知事BBQツイート 認識の甘さは否定できない
- 2021/5/10
- 新型コロナ・医療
玉城デニー知事が連休中の5月5日に自身のツイッターで親族とバーベキューをしたことを投稿したところ、批判が相次ぐ事態となった。この問題をめぐっては、HUB沖縄でもすでにお伝えしたとおりである(「まん延防止」再延長 知事ツイートに批判殺到 https://hubokinawa.jp/archives/6807)。
あらためて玉城知事がツイートした内容を引用すると、以下の通りである(現在は削除されている)。
このうち問題とされたのは、「GWの予定は実家と山の神の実家庭でのBBQ」との文言だ。
県が「屋外でのバーベキューでの感染事例も確認している」として歓迎会、模合、ビーチパーティーなどを自粛するよう求め、従来は4人以下で2時間以内としてきた会食についても「同居家族等と少人数かつ短時間で」と強く要請していた最中であるだけに、「他人に厳しく自分に甘い」などと批判が相次いだ。
連休明けの7日の会見で記者から事実関係の説明を求められた玉城知事は、こう述べている。
「4日は自宅で、5日は妻の実家で、それぞれ屋外で(バーベキューを)やった」
「1メートル以上の距離をとり、マスクも着用した」
「人数は出たり入ったりしたが、2人だったり6人だったりで、いずれも2時間以内で終わった」
バーベキューは屋外で行われ、2時間以内で終わり、それも1メートル以上の距離をとるなどの感染対策を取ったと強調するつもりだったのであろう。
今回のバーベキューについて県が県民に対して行なっている要請に相反すると考えるかと記者から問われ、「不快に思う方がいることについては深く反省している」と謝罪しながらも、「あくまでも家族の食事の範疇」として、バーベキューをしたこと自体は要請に相反しないとの見解を示した。
さらに知事は会見でこうも述べている。
「普段からお願いしているのは、見知らぬ方などの飲食を控えてということ。4人以内という人数も、沖縄では模合などで一つのテーブルを大人数が囲むこともあるので、そうならないようお願いしていた」
つまり、今回のバーベキューは、同居していない家族も交えてそれも時間によっては6人も参加したにもかかわらず、見知らぬ相手とのものではなく、それも模合のように一つのテーブルを大人数で囲んだわけでないから、問題ないと言いたいのであろうか。
しかし、そもそもバーベキューをするのに、見知らぬ者とすることなどあり得るのだろうか。県民の誰もがこのコロナ禍を乗り越えるために、友人や知人たちの会食を自粛しているのではないか。
そもそも県が屋外でのバーベキューの自粛を求め、会食について「同居家族等と少人数かつ短時間で」とのルールを一律で定めたのは、そうすることが感染対策に有効であり、また県民が等しく同じルールに従うことで、感染の広がりを少しでも早く食い止めようとの考えがあったはずだ。
そのルールを県のコロナ対策の最高責任者である知事が自ら破り、悪びれることなくツイートするということは、のちに削除したとは言え、その認識の甘さを批判されて当然のことだろう。
玉城知事は、一昨年5月に県の受託業者との契約日の前日に会食していたことが発覚して県議会で野党から激しく追及されたこともある。その時は知事自身ではなく、広報課の担当者がフェイスブックにその会食の様子を公開したことから発覚したが、それにしても、知事の認識の甘さはやはりなんとも残念だと言わざるを得ない。多くの県民が我慢を余儀なくされていることをぜひあらためて肝に銘じてもらいたい。