お絵かき動画認定作家・あけみおさん「その人の価値最大限に発信」
- 2020/12/21
- 社会
近年、子供や若者が憧れる職業は、時代や技術の革新によって変化し、ユーチューバーなどの動画投稿者やプロeスポーツプレイヤー、ゲームクリエイターなどが「将来なりたい職業」の上位にランクされるようになってきた。動画投稿者と言っても様々なジャンルの職業があるが、中にはお絵かきムービークリエイターも注目されている。
「自分の思いを伝えることにずっと悩んできた。そんな人を助けたい」。そう語るのは、お絵かきムービークリエイターの認定資格を持ち活動をしている、あけみお和花さん(27)=名護市在住=だ。名護市観光大使の経験を得て、名護の魅力を伝えるメディア「ナゴラブ」のレポーターとしてメディアに出演、所属する劇団では役者として演劇の舞台に立つこともあるが、今回はお絵かきムービークリエイターという職業や仕事への想い、制作の裏側について話を聞いた。
お絵かきムービークリエイターとは?
そもそもお絵かきムービーとは、2013年にアメリカのユーチューバー・サム・ペッパーが作った「Drow my life」というホワイトボードを使って自分の人生ストーリーを描く動画が基となっている。そこに「夢をかなえる自己発見ノート」の著者ハク氏がストーリーブランディングという手法を取り入れて生まれた。ホワイトボードに黒や赤、青などのマーカーとイレーザーで絵を書きながら、ストーリーを伝えている。次々変わる絵に動きがあり、動画に引き込まれていく。
少し前までは、お絵かきを仕事につなげる人は一部のイラストレーターなど少数派だった時代だが、今ではお絵かきムービークリエイターとして月収30万〜600万円を稼ぐ起業家も増加している。基本的には、フリーランス、コンサルタント、セラピストなどの一人起業家や企業が抱える集客の悩みの解決や自身の強みや想いを伝えるために、ブランディングするツールのひとつとして、その人の人生ストーリーをホワイトボードに描いた「お絵かきムービー」を制作している。
顧客層は幅広く、起業家や経営者以外にも「還暦を迎えたお母さんにプレゼントしたい」「孫が生まれた記念に、我が子が生まれるまでのストーリーをアニメーション化したい」という家族のストーリーをアニメション化したいという方もいる。顧客層の悩みはシンプルで「このアニメーションをつくりたいけど、絵が描けない」というものである。
友人の「また絵を描いてほしい」に背中を押され
あけみお和花さんは、お絵かきムービークリエイターとして仕事をする傍ら、観光大使やレポーターとしてメディア出演、舞台役者としても表舞台で輝いてきたが、一方で苦労もしてきた。大学を中退してフリーランスとなったが2年目に収入が落ち込み、最終的には収入が0円になった。プライベートでは結婚し、環境の変化、安定しない収入への不安、演劇では一人芝居の稽古が重なり、精神的に追い込まれ、眠れない、食べれないのひきこもり状態になってしまった。「『このままではいけない』と思っていてもどうすることもできなかった」と振り返る。
前に進むきっかけをくれたのは、高校時代の友達だ。「わーかーの書く絵、好き。また描いてほしい」と言われた一言が刺激となり、一歩を押してくれた。「絵を描いても生活はできない。絵を描いて仕事ができたらいいのに」とも感じていたが、その後、お絵かきムービークリエイターの存在を知り、クリエイターを多く輩出している大阪の起業スクールを行き来して講座を受講、認定資格を授与して独立した。