お絵かき動画認定作家・あけみおさん「その人の価値最大限に発信」

 

“発信”で困っている人を助けたい

 あけみお和花へお絵かきムービーを依頼する顧客は業種もバックグラウンドも様々だ。ベビーシッターの男性は、女性ベビーシッターに比べてまだ敬遠されがちな現状ながら、彼自身の仕事に込めた熱い想いを伝えた。5人の子を持つシングルマザーの起業家は「シングルマザーでもやりたいことができる」というメッセージや、彼女自身の生き方や魅力、価値を届けている。

 あけみお和花さんは、情報発信や集客に課題を感じている経営者が少なからずいることに触れ、「『集客のためにイベントに参加したり、ビラ配り、SNS投稿をしても成果が出ない。提供しているサービスのブランディングができない、想いをうまく伝えられない』と悩みを抱えている人が多い」と話す。そういった人々の魅力を伝えたいと思ったのは、もともと自分自身も表現することが苦手だったからだ。
 「私は表現することにずっと悩んできた。自分自身を振り返り、同じような人の助けになりたい。出会う人みんな、能力、知識、経験、情熱を持っている。しかし、そのことを発信していないのでもったいない。その人が持つ価値を最大限に伝えたい」

 さらに、沖縄だと、ビジネス以外にこんなニーズも多いという。
 「沖縄だと、おじぃとおばぁのストーリーを今後残したいけどどうやって残そうかと思っている人も多い。私の場合は、当時5歳のおばぁから沖縄戦で殺されそうになったことがあるという話を初めて聞かされて、このような話は体験したおばぁにしか話せないことだと思った。おばぁが戦争を生きのびたからこそ今私が生きている、ということを実感した瞬間だった。体験したストーリーはあっても、伝えていかないとわからない。だからこそ、お絵かきムービーを使ってストーリーを残していきたいと思った。これは例えば(本人の人生を振り返れるという意味で)葬儀の振り返りムービーとしても残せる。お絵かきムービーの使い方は無限にある」

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