世界の沖縄そば ブラジル、ハワイ、ペルー それぞれの受け継がれかた
- 2020/11/15
- 食・観光
現在、世界各地に住むウチナーンチュ(県系人)は約42万人といわれ、ウチナーンチュが最も多く住んでいる国は、ブラジルが最多で約16万人。ついでアメリカ、ペルー、アルゼンチン、ボリビアの順。海外でも沖縄文化が根強く継承され、沖縄料理が食べられるレストランやイベントがあったりと沖縄が身近にある。
中でも、今回は沖縄県民のソウルフード「沖縄そば」に注目してみた。世界に広がったウチナーンチュ達は、どんな沖縄そばを食べているのか。スープ、麺、具材や盛り付け方に違いがあるのか、ウチナーンチュが多く住んでいる国の沖縄そばを調べてみた。
沖縄そばが街の名物に ブラジル・カンポグランデ
「すごいボリュームでした」と話すのは研修でカンポグランデを訪れた沖縄出身の女性。麺が見えず、どっさりと盛り付けがされた沖縄そば。本場沖縄のそばとはかけ離れた印象だが、ブラジルのカンポグランデでは、沖縄出身者が多いことから沖縄そば店も多く、沖縄そばのモニュメントがあり、街の名物料理にもなっているほど人気がある。
特徴は牛肉を使い、醤油で濃い味付けにした、現地のブラジル人の好みに合わせた沖縄そばになっている。その迫力は冒頭の写真のとおりである。沖縄県民にとって必ずしも美味しいとは言えない味ではあるが、味は別として、沖縄からブラジルへ訪れる際は、カンポグランデで根付く街の名物になっていると話題の沖縄そばを現地で味わってほしいものだ。
盛り付けは麺が見えないように ブラジル・サンパウロ
ブラジル国内すべてがカンポグランデのような沖縄そばではない。サンパウロの沖縄そばはどちらかと言うと日系人向け。沖縄そばを提供しているお店は約10店舗ほどあり、その中でも人気があるのが、沖縄民謡ライブが聴けるレストラン「OishiiSa」。オーナーの佐辺メイレ千歳さんは、沖縄へ留学経験があり、約4年間住んでいた。沖縄で料理を習ったことはないが、すべて親から習い、独学で学んできた。沖縄そばに関して「沖縄でたくさん沖縄そばを食べた。沖縄のそばに近いものを作りたい」と千歳さんは心がけている。
OishiiSaのダシは、豚肉と豚骨、人参、玉ねぎ、キャベツなどの野菜、昆布、生姜を入れて、弱火で3時間ほど煮て取り、味を整えて完成。麺は自家製麺でかん水は使っていないが、沖縄のそば麺と近い歯ごたえとコシ。