舞台は中露蒙3カ国!高まるロシアの沖縄熱 県海外事務所~北京編

 
森田さくら副所長、町田光弘所長、王喜紅さん=2019年春

 沖縄県は観光誘客や物産販路拡大などを担う海外拠点として、6事務所(台北、上海、北京、香港、シンガポール、ソウル)と1事務所(福州)を置いている。
 このシリーズでは、各拠点がどのような取り組みを行っているのか掘り下げながら、世界の中の沖縄の可能性を一緒に考えていく。

 第1回は北京事務所。北京と一言に言っても、そのカバー領域は北京市のみならず、中国全土の北側半分(沿岸部では山東省以北)、ロシア全土、モンゴル全土と、チンギスハンもビックリの広範囲をたった3人の職員でカバーしている。新型コロナの影響で、日本から中国への入国に際して大連で隔離期間中の町田光弘所長、沖縄で一時的にリモート勤務する森田さくら副所長にそれぞれ話を聞いた。

だいたいこれぐらいの領域を3人でカバーする

コロナ後も見据え最新情報を提供

 主なミッションでもある観光客誘致。森田副所長は「コロナ禍で抑え込まれている“中国人の海外旅行に行きたい欲“はほとばしっています」と語る。沖縄を離発着する国際便がゼロになる中、旅行客の行き来ができるようになった時に備えて「沖縄を行き先として意識し続けてもらう」という取り組みを強化している。中国の旅行会社を対象としたオンラインセミナーは12月に第2回目を開催予定で、沖縄ツアーを組む際の参考となる最新情報を提供している。

 世界的にペーパーレス化やウェブでの情報発信が標準化しつつある中、中国では特に「メディアに関しては紙媒体はほぼ消滅している」と、北京生活10年近い森田副所長。ITやデジタル分野の発達が著しく「現金を最後に持ち歩いた日なんか、いつだったか忘れた」という人もざらにいるほど、電子マネーが普及している。道の脇に座って果物を売る露店ですら、電子マネーが使える。

 そういった状況も相まって、観光誘客で鍵となるのはSNSをプラットフォームにした口コミでの情報発信だ。

 SNSでの発信は、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)のWechat(中国のLINEのようなアプリ)の公式アカウントで7万人フォロワーを集めるなど、他の日本国内自治体の中では高水準の訴求力を維持している。

 森田所長は「最近では変わり始めているかと思いますが、そもそも中国では旅行会社など売り手側が発信する情報に対しての信頼度が低く、『本当は違うんじゃないの』という疑いのようなものが根底にあります。なので口コミに重きが置かれています」と解説する。

 沖縄県の統計によれば、昨年9月は約6万5000人が中国から沖縄を訪れていた。これは台湾の約8万人に次ぐ数となっている。しかしことしの9月はゼロ。コロナ後に国際線が”復活”した時、沖縄が旅行地としての魅力や訴求力を維持できるのかが、来たる“観光客争奪戦”では大きな課題となる。

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