STOPコロナ差別!陽性患者を探してはいけない理由
- 2020/10/27
- 新型コロナ・医療
「私はコロナになりました。」
衝撃的なキャッチフレーズが目に入るポスターの制作に携わったのは、株式会社アザナ代表取締役社長・田邉裕貴さんだ。新型コロナウイルスに感染した患者への差別が問題となるなかで、「STOPコロナ差別!」を掲げる田邊さんらは差別に対する意識改革や差別によって感染を拡大させるリスクを広く伝えながら「陽性患者を探さない」啓発をしている。
田邉さんは、沖縄県内の医療機関にサージカルマスクやガウンを届けるクラウドファンディング「ゆいマスクプロジェクト」にも所属しており、そのプロジェクトメンバー協力の下、ポスター制作は行われた。
コロナ差別とは
新型コロナウイルスが世界各地でニュースになり始めてから、あらゆるところで社会問題が浮き彫りになった。「自粛警察」や「クラスタフェス(デモ)」など、極端な課題も多々ある中、「コロナ差別」という問題も各地で深刻化している。
田邉さんが「コロナ差別」を意識するようになったのは、ある出来事がきっかけだった。知人が新型コロナウイルスに感染してしまった時のことだ。知人は自身の子どもから感染し、治療を経て無事完治し、完治後に友人と食事に行く話になった。だが一緒に食事に行く友人の旦那さんから「自分がもしコロナになったら会社に説明がつかないから、行くのはやめてくれないか」と言われ、食事会は中止になった。
その話を聞き、田邉さんは疑問に思った。「治療も終え、完治し、国の方針に沿って暮らしている彼女は、もう通常に暮らす権利を得ているはず。個人の判断で行かないならまだしも、“かつて陽性になった経験があるから一緒にご飯に行っちゃダメ”は差別ではないだろうか。」
コロナ差別の定義
田邉さんはコロナ差別について「ソーシャルスティグマ(社会的負の烙印)」という言葉を用いて解説する。
ソーシャルスティグマとは、国際赤十字連盟、UNICEF、WHOが合同で提唱する「ある特定の特徴をもつ個人や集団をあると規定の病気と誤って関連付けること」だ。
(参照:COVID-19 に関するソーシャルスティグマの防止と対応のガイドhttps://extranet.who.int/kobe_centre/sites/default/files/pdf/20200224_JA_Stigma_IFRC_UNICEF_WHO.pdf)