沖縄の有効求人倍率、1.16倍で横ばい 「物価上昇などの影響に注視必要」
- 2024/4/30
- 経済
沖縄労働局の柴田栄二郎局長は30日、県庁で会見し、2024年3月の県内有効求人倍率(就業値別・季節調整値)は前月と同じ1.16倍だったと発表した。同労働局は、「建設や医療福祉、観光客の増加に影響を受ける分野では依然として求人が多く、事業主が人手不足に苦労している状況が続いている」とする一方、物価上昇などが雇用に与える影響に注視する必要があると指摘した。
県内の有効求人倍率は、コロナ禍で0.7~0.9倍に落ち込んでいたが、22年8月に1.0倍を回復。直近の1年間は、1.15~1.20倍の水準となっている。人手不足が言われる中で、有効求人倍率の横ばいが続いてる理由について、柴田局長は「企業がやりくりして、今の人数で何とかやれるように効率化を図っている」と説明した。
ただ、専業主婦や高齢者層も含めて就職が進んで求職者数が減る傾向にあるとみられ、今後は有効求人倍率が上がることも考えられるという。正社員に限った有効求人倍率(原数値)は0.71倍で、前年同月から0.06㌽上昇した。
「観光関連求人充足キャンペーン」5月27日から
会見では、人手不足が続く観光関連産業を支援するため、県内5カ所のハローワークに「人材確保特別相談窓口」を設置したり、「ホテルのお仕事セミナー」・「バスのお仕事体験会」・「ミニ企業説明会」などを行う「観光関連求人充足キャンペーン」を5月27日~6月30日にかけて実施することも発表された。同労働局の公式LINEメニューには、「観光関連求人情報」を掲載する。
担当者は「昨年もキャンペーンを行ったが、満員になったセミナーもあった。実際に体験して自分に合っているとか、条件などが分かる具体的なセミナーなど、すごく好評をいただいた」と述べた。
また、「例えば、その産業の平均賃金や、『このぐらい賃金を上げれば採用に何パーセントつながりますよ』という資料を作って窓口で紹介したところ、求人条件の改善が進んだ。特設窓口での集中的な支援と、具体的なセミナーが非常に有効だった」と強調した。