宮古島に住民避難用シェルター整備へ 地元市長、歓迎の意向

 
建て替え時に地下施設(シェルター)も整備する方向で進められる宮古島市の市総合体育館=24日、宮古島

 台湾有事などを念頭に、政府が宮古島市に住民が避難するシェルターを整備する方針を固め、2024年度予算に関連費用を盛り込む方向との報道を受け、宮古島市の座喜味一幸市長は24日、報道陣に対して「緊急時の避難拠点が必要だと考えてきた。大変うれしく思っている」と述べて歓迎の意向を示した。

 政府は東シナ海で中国軍の活動が活発化し、台湾海峡を巡る緊張が高まる中、有事の際に「最前線」となる南西諸島の住民避難について本腰を入れ、シェルターなどの避難施設の整備や輸送手段の確保といった国民保護の体制づくりを進めるとみられる。

 宮古島には安全性が高い地下施設がないことなどを踏まえ、座喜味市長は6月、防衛省に市の新総合体育館整備と共に、緊急的な避難施設となる地下施設の早期整備を求める要望書を提出した。

 同省には、昨今の安全保障環境を踏まえると万が一の不測の事態が生じた場合に備えて、市民の生命を守る観点から、新総合体育館の整備に併せて緊急的な避難場所となる地下施設の整備を求めた。

 座喜味市長は「体育館が老朽化しているため、早急な予算の確保をお願いしてきた。実務的には新総合体育館の予算要求で話は進んでいるが(シェルター整備に向けての)政府から特段の連絡はない」と述べた。

 また「シェルターという国の位置づけは新たな情報。シェルター機能となると、これから詰まってくると思うが、国が定める設計の基準などは地方自治体の財政基準では厳しいので、補助率も配慮してもらわないと現実的に進まない。今後、意見交換をしながら進めていくことになると思う」と話した。

 施設については「報道ではシェルターとなっているが、緊急時の防災拠点。整備する動きとなったのはありがたい。緊急防災拠点として水や食料などの備蓄や有事の際には島民の移動などを指揮監督する場所になると考えている」との認識を示した。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ