観光収入の目標、2023年度は過去最高7908億円 沖縄県

 
沖縄県は今年度の観光収入目標値を過去最高の7908億円に設定した=8日、那覇市の守礼門

 沖縄県は8日までに、今年度の観光収入目標値や施策展開などを発表した。観光収入の目標には、過去最高となる7908億円を掲げた。インバウンドの入域は回復途中ではあるものの、1人当たりの観光消費額を高めに維持することで、達成を目指す。

 県全体の観光収入は、コロナ禍前に当たる2018年度の7341億円が、これまでの最高値。その後は、新型コロナの感染拡大などで20年度に2485億円まで減少したが、行動制限が緩和・撤廃された昨年度は、過去2番目に多い7134億円(速報値)まで回復している。

 インバウンドが本格的には回復していない中で、観光収入が大幅に戻った要因は1人当たり観光消費額の増加だ。7万3374円だった18年度から、昨年度は速報値で10万5499円と4割程度も増えた。

 観光消費額の増加について、県は「観光地巡りや沖縄料理を楽しむ旅行者の売り上げが増加した。全国旅行支援の後押しを受け、何かの目的志向の旅行者が増加したことなどが背景」と分析している。コロナ禍で、旅先を海外から沖縄へ変更した旅行者がいたことも影響したとみられる。

 旅行形態の変化について、県の担当者は「以前は団体旅行やビジネス客の割合も多かったが、2020年度ごろから個人や夫婦といった比較的少人数の旅行形態が増えてきている。全国旅行支援もあり、比較的高単価なリゾートホテルなどに宿泊する傾向が出ている」と語った。

 県によると、Web会議などの浸透によりビジネス客の割合が減ったものの、消費単価が高い層は増加しているという。担当者は「リゾートウェディングや新婚旅行の割合も増えてきている」と述べた。

 今年度の1人当たり観光消費額については、7月20日までで全国旅行支援が終了することを見込み、9万3806円が目標値。回復している国内観光客を安定的に確保するとともに、インバウンドを段階的に回復させる施策を行う。

 一方、コロナ禍で経営的な打撃を受け、人材流出などもあった観光事業者に対しては、経営基盤の強化や前向きな投資を後押しする。原油や原材料価格が高騰した影響の緩和を図るほか、コロナ関連融資の返済についても負担軽減策を実施する。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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