野原氏を那覇市議会新議長に選出 久高氏の議長辞職に伴う後任選挙

 
議長選挙で所信表明を行う野原嘉孝氏=9日、那覇市議会議場

 那覇市議会は9日、久高友弘氏(74)の議長辞職に伴い、後任選挙を行った。選挙の結果、副議長を務めていた公明会派の野原嘉孝氏(60)が21票を得票し、新議長に選任された。議長選挙は「単記無記名」方式で行われ、定数40人のうち出席議員39人が投票を行った。

 久高前議長=自民公認、10期=は、民間女性が所有権を主張している那覇市の市有地を巡り、土地購入を希望する不動産業者から議長室で現金5千万円の受け渡しがあったという一部報道を受け、議長職の辞職願いを提出。市議会は7日に全会一致で許可し、後任選挙となっていた。

 久高氏は、議長室での現金受け渡しがあったことは認めているが、現金は「女性の後見人が持っている」と主張し、自ら収めたことは否定している。

 議長選には、野原氏のほか、古堅茂治氏(共産)が届け出を行った。投票に先立ち、所信表明演説が行われ、野原氏は「この様な形で議長選挙を行うことを市民の皆さまにお詫び申し上げる」と述べたほか、政治倫理条例の制定を訴えた。また、議会改革の推進も誓った。

 古堅氏は、所信表明で前議長の辞職に関連して「市議会には百条委員会を設置しての真相の徹底究明が強く求められている。公正公平・清潔な政治を確立するためにも、政治倫理条例と法令遵守の推進などに関する条例の早期制定が求められている」などと訴えた。

 選挙結果は、有効38票、無効1票で、トップの得票数で野原氏が第41代那覇市議会議長に就任した。当選後、野原氏は当選承諾のあいさつで「私たちの前にはいばらの道が広がっている。議員の皆さまと協力しあって、職員の皆さまのお力も借りながら、本日より市民の信頼回復に向けた第一歩を一緒に踏み出していきたい」と語った。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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