沖縄のエネルギー自給率2.7% この数字が意味する危うさと希望

 

 「エネルギー自給率」という言葉を聞いたことがあるだろうか。石油やガス、太陽光など、発電などに使うエネルギー資源をどれだけ自分たちで賄えているかを示したものだ。日本のエネルギー自給率は11.8%(2018年、資源エネルギー庁)で主要国35か国中34位と極めて低い。沖縄だけに目を向けると2.7%とさらに数値が下がり、ほとんどエネルギーを自給できていない状況だ。

 そんな中、沖縄県内のエネルギー自給率向上を目指す「株式会社エネルギーラボ沖縄」が4月1日に設立された。代表の宮城康智さんは「沖縄が美しい自然を残しながらエネルギーを持続して生み出していければ、世界に対してかなりの発信力があります」と、沖縄がけん引役となってエネルギー問題を解決することに大きな意義を感じている。

エネルギー自給率100%のオフィス

太陽光パネルで発電しながら仕事をする宮城さん=4月26日、北谷町のアラハビーチ

 エネルギーラボ沖縄は、沖縄のエネルギー自給率向上を目指す個人や団体を、官民問わずサポートする活動を行っている。直近では「沖縄の未来」にあるべきエネルギーの姿を議論する「沖縄みらいエネルギー会議」を立ち上げ、産業界や学術界の関係者らと一丸となって変革のうねりを生み出しているところだ。

 宮城さんの“オフィス”は、これでもかと言わんばかりにエネルギーを自給している。

 ビーチの木陰にキャンプ用テーブルを持ち込み、自然の海風を受けながら照明も冷房も要らない快適な職場環境を実現。パソコンを動かすために必要な電力は、ソーラーパネルで充電したモバイルバッテリーで十分に賄えている。まさにエネルギー自給率100%の空間だ。

 もちろん自宅をオフィスにしていることもあるが、天気など環境が整えばこうやって外で爽やかに仕事をしている。「やっぱり、いいですよ。海を見ながら仕事するのは」と、沖縄を象徴するような海の青さからインスピレーションをもらう。

エネルギー自給率が低くて困ることとは

 沖縄県は2030年までにエネルギー自給率を5%までに引き上げることを目指しているが、宮城さんによると「かなりハードルが高い状況」だという。

 このままエネルギー自給率が低いままだと、どういったことが問題になるのか。

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