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85歳の挑戦 地域に愛された中華店、資金募り復活へ始動
- 2022/5/12
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昨年11月、地域に惜しまれながら閉店した沖縄市中央のパルミラ通りにあった中華料理店「北京亭」を復活させようと、店主・仲本兼和さん(85)とその支援者がクラウドファンディングを行なっている。
中の町で営んでいた前身の「李白亭」などを含め、沖縄市内で40年以上に渡り「町の中華屋さん」を営んできた仲本さんは「体力が続く限りやりたい」と再びのスタートを決意した。本格中華を学んだ仲本さんのこだわりの味にファンは多い。地元に愛された「地域の味」を守り、継承していくための試みが進行中だ。
5月中に100万円目標 夏場のオープン目指す
資金集めはクラウドファンディング専用サイト「キャンプファイヤー」を活用する。目標は5月31日までに100万円。今年夏場までに沖縄市中央の中央パークアベニューにある物件で新店舗オープンを目指している。
100万円の使い道は新店舗の契約や改装、人気の高い餃子作りに必要な厨房機器を揃える費用などに充てる。100万円が達成できれば、その後も200万円、300万円と新たな目標を設定し、その度に新たな厨房機器を揃えて提供できるメニューを増やしていく予定だ。
北京亭のロゴが入ったステッカーやTシャツ、マグカップなどの他、プレオープン期間の入場券などを返礼品として用意している。
ブラジルで出合った本格中華に感動
1938年に嘉手納町で生まれた仲本さん。沖縄戦の混乱を経て、1945年の終戦後は沖縄市越来にいた祖母に引き取られた。中部農林高校で農業を学び、1959年に青年開発隊としてブラジルに入植。トマトやナスを作って生計を立てていた。そこで運命の出合いが訪れる。
「サンパウロに大きな市場があって、そこの仲買人に野菜を買い取ってもらっていた。お金を受け取りに行く時は、決まって街にある中華料理を食べに行った。初めて食べた時、『こんなに美味しいものがあるのか』って驚いたよ」
中国系の人が営む店の本格中華に感動し、通い詰めた。10年間ブラジルで農業に従事した後、1969年に帰国。「あの味」が忘れられず、神奈川県にある中華料理店で腕を磨き、1972年の沖縄本土復帰後に故郷に戻って沖縄市内で自身の店を構えた。