宮古島市と多良間村の「まん延防止」先行解除へ 沖縄県
- 2022/2/4
- 新型コロナ・医療
沖縄県は3日、「まん延防止等重点措置」について、宮古島市と多良間村を7日から先行解除すると発表した。同日、新型コロナへの対応を議論する対策本部会議で決定した。これに伴い、両市村の飲食店に対して行われている営業時間短縮要請も終了となる。県全域に同措置が適用されてきた「第6波」で、先行解除は両市村が初めて。
県内では、1月に入り新型コロナの感染が急拡大し、同措置が1月9日から県全域に適用され、感染が収まらないことから2月20日まで延長されている。県は、県内を宮古、八重山、沖縄本島、本島周辺離島の4圏域に分け、圏域ごとに同措置の先行解除も検討するとしてきた。
圏域ごと解除の条件については、▽病床使用率50%以下▽新規陽性者数が7日間連続して前週を下回り、直近1週間の人口10万人当たり新規陽性者数が200人以下─を設定している。
宮古島市では、1月に入って一時は沖縄本島や八重山地区を上回る感染状況となっていた。感染が抑えられていた中で年末年始を迎え、島内で会食が多くあったことが理由とみられている。感染拡大を受け、座喜味一幸市長は1月7日の会見で、夜間の外出をできるだけ控えることや、不要不急の来島自粛を呼び掛けた。
その後、宮古島市の感染状況は改善し、人口10万人当たり数値も県全体や石垣市を下回る。その理由として、県は感染の原因となる接触が抑えられたほか、65歳以上のワクチン接種が県内で最も進んでいることを挙げた。
県の糸数公医療技監は、今後について「沖縄本島は、病床使用率と人口10万人当たり数値とも厳しい。八重山は新規陽性者数が高めだが、下がっていく可能性がある。沖縄本島は、どちらかといえば病床、八重山は新規陽性者数がクリアされないと、解除は時間がかかる」と述べた。本島周辺離島は、沖縄本島と一体とみなす方針という。
また、沖縄本島などでの解除に向けた課題としては「福祉施設を含めた高齢者の新たな発生が抑えられるかだ。60歳以上の感染は徐々に減ってきているところがあるが、これが本当に減少ということになれば、状況も改善されると考えている」と強調した。
全国に先駆けて「第6波」の感染が拡大した沖縄県。新規感染者数はピークを越えたとみられるが、東京都や大阪府では感染状況の悪化が続いている。宮古島市と多良間村の「まん延防止」は解除されるが、移入例も警戒しながら経済と感染対策の両立に挑むことになる。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)