「第6波の中で経済を回す方法の模索を」 沖縄県飲食業生活衛生同業組合理事長・鈴木洋一さん
- 2022/1/1
- 経済
2020年から継続して新型コロナウイルスの影響を直接受け続け、2021年も大きな打撃を受けた沖縄県内の飲食業界。2021年は緊急事態宣言やまん延防止措置などによる営業制限が続き、制限なしでまともに営業できたのは合計しても3ヶ月に満たない期間という状況だった。
休業要請やアルコールの提供停止など、飲食業にとって“致命的”とも言える状態が続いたこの1年を県飲食業生活衛生同業組合の理事長を務める鈴木洋一さんに振り返ってもらった。
2021年を振り返り、2022年の沖縄を見据える年越しインタビューの第3弾。
「まさか」の1年
―飲食関係の事業者にとっては2021年は大変な1年だったかと思います。
「本当に『まさか』という1年でした。我々も少し油断していた面もあるかもしれませんが、こんなにも長引くとは全く思ってなかったという意味でです。今年は3月くらいしか1ヶ月まともに営業できた月はなかったですね。11月以降も何とかできている状況ではありますが。
感染者が爆発的に増えていた夏頃はやはり『GoToトラベル』と『GoToイート』が拡大に拍車を掛けていた印象があります。きちんとしたデータがなくて因果関係が明確ではないんですが、やはり人流をみると一因にはなっていたと言えると思います。また、感染者数が800人とか超えてしまっていたので、やはり防止の取り組みが遅かったというのはあるでしょうね。
出口戦略の面で時短営業や休業などの制限解除について、時期をきちんと示せなかったという点もありました。これは県の専門家会議での議論が医療畑に寄りすぎていたという部分があったかもしれません。経済関係者の意見も汲み取るべきだったと思います。
組合としてはかなり早目に動いてはいました。協力金支援については、当初系列店も含めたグループごとだった給付形態を、店舗ごとに給付するよう要請しましたし、ワクチン接種も早い段階で組合員への接種を実施して感謝されました。
ただ、全体通してみると行政支援が『飲食ばかり』という印象は残ってしまったように思います。コロナという初めての事態で各所対応に苦慮したにせよ、基幹産業と位置付けているにしては観光関係の事業者を対象とした救済措置は薄い感じがしました」