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世界的な脱炭素化に見る可能性 沖縄は環境教育先進地となれる
- 2021/9/24
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地球温暖化に対する危機感はいまや世界中で共有され、2015年のパリ協定を契機に、二酸化炭素の排出を抑える「カーボンニュートラル」実現を宣言する国が相次ぐなど、温暖化の解決に向けた取り組みは世界の大きな潮流となっています。日本でも2050までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指して取り組みが本格化しました。
こうした大きな時代の流れの中で「学校」には一体何ができるのか。「教育」は、温暖化危機に対してどんな役割を果たせるのか。やんばると西表島が世界自然遺産となった今こそ沖縄県の環境教育を進める契機となり、森も海も豊富な自然があるユニークさを活かすことで沖縄は環境教育先進地にもなり得ます。
カーボンニュートラルとは
「カーボンニュートラル」とは、温暖化の主要因となる二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を「全体としてゼロ」=ニュートラルにすること。つまり、生活で排出される温室効果ガスの量と、森林などが吸収する量を同じする、実質的にプラスマイナスゼロにすることを意味しています。カーボンニュートラルの達成を目指すなら、温室効果ガスの排出を削減する対策と同時に、吸収量の維持や増加のための対策が両方必要だということです。よく話題になる電気自動車などの技術革新やエコなライフスタイルの推奨などは、排出量の削減につながるものですが、豊かな自然を守ろうと努力することもまた、吸収量の維持につながるまさに温暖化対策なのです。
温暖化の危機はもうすでに始まっている
温暖化の影響はもやは全ての人々の足元に迫っていると考えなければいけません。海外での大規模な森林火災やハリケーンの発生といったことはすぐに思い浮かぶ人も多いのではないかと思いますが、事態はもっと深刻です。例えば、日本の主食とされるお米やその他様々な農作物が高温によって発育が悪くなり生産量が減っているし、ここ数年毎年のように甚大な被害をもたらしている集中豪雨やそれによる洪水の発生リスクが年々高まっているのです。さらには、沖縄にとって重大なのが、巨大台風の発生やサンゴの白化・死滅など海への悪影響です。温暖化は、決して他人ごとではない、差し迫った危機なのです。
こうした危機感を背景に、沖縄県は今年3月、「沖縄県気候非常事態宣言」を発表しました。県内でも2050年までにカーボンニュートラルを実現するとの目標を掲げており、県内事業者の省エネへ配慮した事業展開や県民1人1人のエコライフへの転換を求める内容となっています。
カーボンニュートラルと学校の関係
あらゆる組織も個人も、環境を配慮した行動が求められるようになってきたわけですが、ここで焦点を「学校」に絞ってみましょう。学校も、もちろん温暖化対策と関係ないわけではありません。特に柱となってきた取組が、文部科学省を中心に環境省などが連携して推進してきた「エコスクール・プラス」です。環境に配慮した学校「エコスクール」に対して国が認定を与えることで全国に広がっていきました。認定を受けた学校は施設整備に係る国からの補助が増額される仕組みとなっており、これまで全国で約2,000校が認定されています。