沖縄に眠る古映像、東京で復旧続々 紡ぐ歴史と「2025年問題」

 

地道な修復作業の末に甦る沖縄

 実際の修復の様子はどのように行われるのか。作業の様子を見せてもらった。

フィルム検査・クリーニング

 フィルムそのものの補修や、汚れやカビの洗浄を行う。自社開発の特別な機械を通してフィルムを傷つけずにきれいにする。地道な作業だがデジタル取り込み前の「かなり大事な作業です」(同社営業担当の増田芽以さん)

フィルムスキャニング

 実際にデジタル化していく工程。1コマずつデジタルで取り込んでいく。

カラーグレーディング

【工程前】沖縄国際海洋博覧会で1975年に上映された『かりゆしの島 沖縄』(沖縄県立博物館・美術館所蔵)の一場面
【工程後】『かりゆしの島 沖縄』(同)

 経年変化で赤く退色したフィルムから、わずかに残る色情報を取り出し、色彩バランスを技術者が自ら調整していく。ちょうどこの日は久高島のイラブー(エラブウミヘビ)を調理加工する映像を修復していた。

デジタルレストア

 取り込み後の画面に映り込んだ汚れや傷などをデータ上で取り除いていく。

視聴覚資料の「2025年問題」

 現在では映像記録媒体はDVDやBlu-rayが主流で、場合によってはHDDに直接記録・保存する人も多いが、かつてはVHS(1976年登場)、HDCAM(1997年)、古いものだと6mmフィルム(1950年)などが使われていた。

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