沖縄に眠る古映像、東京で復旧続々 紡ぐ歴史と「2025年問題」

 
『かりゆしの島 沖縄』の一場面(沖縄県立博物館・美術館提供)

 沖縄の行事や観光映画などを収めた古い映像資料の修復・保存を数多く担う東京の業者がある。株式会社東京光音(本社:東京都狛江市)の「フィルム/ビデオ/サウンド/デジタル修復・復元センター」(同渋谷区)には2015年以降、変形やカビなど経年劣化したフィルムが沖縄から送られ、これまで約30点もの古い映像資料が息を吹き返してきた。

 沖縄戦や都市開発などで多くの原風景が急速に失われてしまった沖縄。同センターの松信秀明所長は「資料を救うことだけでなく、古い映像資料を見て、楽しんで、学んでほしいです」と、「たしかに沖縄にあった歴史」を後世へと紡いでいる。

古い映像が多く残る沖縄

東京光音「フィルム/ビデオ/サウンド/デジタル修復・復元センター」の松信秀明所長

 松信所長が沖縄の古い映像資料の保存に関わるようになったきっかけは2015年、あるワークショップの懇親会で沖縄県公文書館の職員と出会ったことだった。県公文書館に修復が必要な資料が大量にあるということをもともと耳にしていた矢先のことだ。「そこで意気投合というか『今度沖縄行った時には(修復を)やらせてください』という話になりまして。資料を収集するだけではなくて、しっかりと後世に残して県民の方に見てもらって楽しんでもらおうという趣旨に、私たちも賛同しました」

 松信所長自身が、実は“沖縄フリーク”でもある。「何度も足を運んでいるうちに知り合いもたくさんできました。気さくで裏表のない人が多くて付き合いやすいですよね」

 沖縄に残る古い映像資料は、県公文書館の他にも沖縄県立博物館・美術館や県内の各市町村、県内の各放送局などに散在しているという。もちろん、一般家庭にも眠っているはずだ。沖縄は他府県と比べても古い映像資料が「意外と残っている」(松信所長)という。

「沖縄戦でほとんどの資料が焼失してしまっているという話も聞いていたのですが、実際に沖縄に行ってみたらいろんなところに戦前の映像が残っていました。移民の方が海外で保管していたものもあります」

 一般の人が撮った8mmフィルムや、米軍関係者が残したもの、観光映画として作られた作品など、今に残る資料は多岐にわたる。東京光音が修復を手掛けた最古の資料は1932年、今から約90年前の映画だ。「当時の(沖縄戦で失われる前の)守礼門や、那覇市辻の料亭の様子が写っている非常に貴重なものでした」

「ジュリ馬1965」(沖縄アーカイブ研究所所有)が映った画面を見つめる松信所長

 取材日にも東京光音には、1974年に宮古島で撮られた葬式の様子を収めたフィルムが修復の時を待っていた。

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