歴史あり、パワースポットあり、知られざる「奥武山」
- 2021/9/4
- 社会
奥武山に遷された沖宮
沖宮は元々、那覇港を護る海上の要塞「ミーグスク」に続く堤防半ばに位置しており、その神宮寺である「臨海寺」と共に、航海安全祈願の神社として親しまれていた。ちなみに臨海寺も、「臨海湖声(りんかいこせい)」というタイトルで北斎によって描かれている。
明治期になると、埠頭築港工事のため海中堤防が埋め立てられることとなり、共に移動を余儀なくされる。臨海寺は一旦対岸の垣花町に移り、現在は曙町へ遷座している。一方沖宮は、安里八幡宮隣に移動したが戦争によって消失、その後通堂町への仮遷座を経て現在奥武山に遷座されている。
奥武山に遷座するきっかけとなったのは、沖宮宮司が「奥武山の天燈山(黄金森)に鎮まる神こそ沖宮御祭神の根源、天受久女龍宮王御神である。山の頂に石碑を建立し麓に沖宮を復興せよ」という神託を受けたからだという。
沖宮の裏に回り山の上まで登ると御拝所があり、奥武山を一望できる光景からも計り知れないパワーを感じる気がする。
埠頭築港によって神社とお寺は遷座することになったのだが、今でも那覇港内の一角には、沖宮拝所跡という立派な跡碑が建っている。埠頭内にあるので、訪れる際には十分気を付けて見学してほしい。