沖縄こそ「オンライン学習」のメッカとなれる理由

 

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない沖縄。8月25日にはついに感染者数が800名を超える一方、新たな対策もほとんど打ち出せないまま緊急事態宣言だけが徒に長引いてしまい、「自粛疲れ」で社会は一層混沌とした様相を呈してきました。そんな中、文部科学省は、休校判断について学校が主体的に素早く判断できるようガイドラインを作成、公表しました。そして、これと同時に文部科学省は、「オンライン学習」の推進を改めて呼びかけました。

 感染拡大による休校リスクが一層高い沖縄。しかし、休校のピンチこそ、これからの新しい教育としての「オンライン学習」を先取りする絶好のチャンスと捉えるべきではないでしょうか。大きな可能性を秘めた沖縄の「オンライン学習」の未来を読み解きます。

沖縄の緊急事態宣言、5度目の延長は確実か

 医療界・経済界まで巻き込んで玉城デニー県知事が打ち出した「緊急共同メッセージ」の効果もむなしく、増加の一途をたどる沖縄の新規感染者数。8月23日に開催された県の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、宣言の期限まで20日以上先であるにもかかわらず、解除は難しいとの見解をすでに示しており、全国的にも解除困難とする厚生労働大臣の発言も報道されるなど、5度目の延長が確実視されています。

 先の見えない不安な状況が続けば、この難局を乗り越えようという社会全体の推進力はますます失われてしまいます。メリハリなく何度も延長される宣言に、効果を疑問視する声が徐々に大きくなっていることを感じます。

文部科学省が休校の判断基準を公表

 子供たちや保護者にとっては、いま休校が大きなリスクとなっています。そんな中、文部科学省は、本来地域の保健所と相談して個別に判断されるべきとしていた休校に関して、学校の主体的な判断が滞ることのないよう、その判断基準を明確にした「対応ガイドライン」を公表しました。

・1つのクラスで複数人が感染すれば学級閉鎖
・あるいは1つのクラスで1人の感染でも濃厚接触が複数人、または風邪などの症状が複数人いる場合も学級閉鎖
・同じ学年で複数が学級閉鎖するなど学年内で感染拡大の疑いがあれば学年閉鎖
・複数が学年閉鎖するなど学校内で感染拡大の疑いがあれば全体の臨時休校
・期間の目安は5~7日

 各地の保健所の業務逼迫による学校での対応の遅れが相次いだことを受けて、文部科学省として初めて休校の考え方を具体的に示したもので、過度に臨時休校や地域全体の一斉休校をしないようにとしか言ってこなかったこれまでの対応に比べると、かなり踏み込んだ内容となっています。

判断基準があれば子供も保護者も学校も備えやすい

 クラスに2人以上感染で学級閉鎖、2つ以上学級閉鎖で学年閉鎖、2つ以上学年閉鎖で休校。とてもわかりやすい原則を示してくれたと思います。何より、子供たちが学級閉鎖や休校となってしまう状況をイメージしやすいし、保護者にとっても、仕事を休まなければならない場合に備えた事前の職場との相談など、いざという時の心の準備につながることが期待されます。これこそ重要な要素で、判断基準を公表したことは、休校リスクにさらされる子供たちや保護者、学校にとって今後の備えを後押ししてくれるきっかけとなるでしょう。

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