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沖縄こそ「オンライン学習」のメッカとなれる理由
- 2021/9/4
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休校基準と同時にオンライン学習の強化を通達
さらに注目すべきは、対応ガイドラインと合わせて、オンライン学習を促進するよう改めて通知したことです。「GIGA(ギガ)スクール構想」と銘打って1人1台端末環境が整備されつつある中、文部科学省は、休校等で登校できない子供たちの学びを止めないために、学校ではオンライン学習の強化を怠らないよう、しっかりくぎを刺すことを忘れませんでした。これは本質的にとても重要なポイントです。休校への備えも、オンライン学習の強化も、両者はバラバラな論点ではなく、セットで取り組まれることで効果を発揮するという点が重要なのです。通知の中身としては、発信された情報を改めて整理したものにすぎませんが、休校の判断基準とセットで発出することでとても効果的だったのではないかと思います。
子供たちの学びを止めないという目的も大変重要ですが、これからのスタンダードとしてオンライン学習に積極的に取り組んでいく大きな視点こそ、はるかに重要なのです。
沖縄こそオンライン学習のメッカになれる理由
オンライン学習は実に多様な可能性を秘めています。災害や不登校など登校できない場合の代替手段という側面だけでなく、双方向性を生かした協働的学習や、複雑な社会を多角的視点で捉えて教科横断的に学ぶいわゆる「STEAM教育」など、これまでの黒板・チョークの一斉授業では難しかったアクティブで複合的な学習を展開できるといった側面が、オンライン学習が持つ最大の魅力なのです。
そこで、沖縄の教育環境について、今一度思い返してみてください。今回の感染拡大もさることながら、例年台風で1~2日の休校を余儀なくされる状況があります。また、不登校の児童生徒の割合が全国に比べて高く、困難を抱えて登校できない子供たちへの学習指導は沖縄の大きな教育課題の1つとなっています。さらに、沖縄は小さな島々からなる島嶼県。オンライン学習による地理的ハードルを越える環境づくりは沖縄にとって大きなメリットとなるに違いありません。
いかがでしょう?これまで「課題」とされてきた沖縄の教育環境の特徴は、むしろオンライン学習の恩恵を実感できる素地が揃っているとも捉えられるのではないでしょうか。沖縄こそ、オンライン学習の強みを最大に引き出し、新たな学びのあり方を先取りしていくべき環境にあるのです。
ちまちました夏休み延長や臨時休校よりも、オンライン学習の強力な推進を!
6月には県内一斉休校を経験しましたが、効果は一時的で限定的でした。今回の感染拡大では、県の専門家会議でも一斉休校は不要との見解となっています。にもかかわらず、各市町村では、小中学校の夏休みを延長したり、夏休み直後を休校にしたりする動きが相次ぎました。これには強い疑問を抱かされます。専門家側からの提言もなく、期間の設定にも何も根拠がない中、なし崩し的に判断されていると言わざるを得ません。さらに、これまで2度も一斉休校を経験してきたにもかかわらず、休校せざるを得ない理由や代替策を明示して、保護者や子供たちに納得してもらうという努力が今回も全くなかったことは批判すべきことだと思います。
沖縄は、今こそピンチをチャンスに変えるべきです。感染拡大でオンライン学習が求められている今こそ、学校と保護者が協力して、積極的にトライしていくべき時なのです。さらには沖縄の教育環境に横たわる課題を前向きにとらえ、沖縄こそこれからの教育のモデルになるという気概でチャレンジしていくことで、きっと明るい未来が拓けるのではないでしょうか。
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