在沖縄アフガン人「戦争が終わった」再建へ向け母国でビジネスも
- 2021/8/20
- 政治
「タリバンも普通の人間」
琉球大学で工学系の博士研究員をしているアーシム・バシール・アハマドさん(37)も、「タリバン報道官の声明によるとですが、一緒に明るい未来を作ろうとしているように感じられます」と、一定の評価をする。
アーシムさんの家族の多くは、アフガニスタン第二の都市カンダハールに住んでいる。連絡を取り合う中で「戦争が終わってみんな幸せそうです」で平和な日々が訪れたことを喜ぶ。
日本社会を含めて、いまだにイスラム教に対する差別や偏見が残ることも確かだ。「コーランの教えでは、イスラム教徒ではない人も含めてみんなと友好的な関係を築くべきだとしています。しかし9.11で飛行機がビルに突っ込む映像を何度も流すなどしたら誤解する人も出てくるでしょう」と複雑な表情を見せる。
アフガニスタン人であるがゆえに、タリバン支持者も旧政権支持者も同胞としての顔が浮かぶ。今回、タリバンの国内各地域の掌握がごく短期間でほぼ「無血開城」だったのも、タリバンへの理解が国民の間に広まったからだとも説明する。「メディアはタリバンが人間ではなく、どこかのエイリアンであるかのように報じます。しかし彼らも普通の人間です」と、皆が手を取り合って新しい国を作ることに希望を見出している。
「戦争が終わった」
沖縄本島中部に住む50代のアフガニスタン人男性もまた、今回の米軍撤退とタリバンのカブール掌握について「戦争が終わった」と肯定的だ。「戦争が続いていた間は毎日何百人も命を落としていました。私の家族など周囲の人間も6人亡くなってしまった。15日以降は戦争をしていません。自分が求めているのは、子や孫の世代に平和なアフガニスタンを残すこと、ただ一点です」と話す。遠く離れた沖縄にいながらも、頻繁に国際ニュースをインターネットでチェックしては、心配の尽きない日々を送っていた。