沖縄、遠のく緊急事態宣言解除

 
会見で発言する玉城知事=20日、県庁

 県は20日、県内で154人の新規感染が判明したと発表した。先週の同じ曜日(65人)の2.4倍となる大幅な増加で、玉城デニー知事は臨時会見を開いて「第5波に入ったと言わざるを得ない。ここで感染の波をできる限り低く抑えなければ、早期に緊急事態宣言を解除することもできなくなる」と強調した。

 一時は「まん延防止等重点措置」への移行を目指すほど改善した沖縄の感染状況。しかし、緊急事態宣言の再延長後、わずか9日で新たな流行に突入したことになる。県は、7月末までに緊急事態宣言を解除することを目指してきたが、実現は遠のいたといえる。

 緊急事態宣言を解除するため、県は療養者数で438人、1週間当たりの新規感染者数では365人を下回る国基準の「ステージ3」を目標としてきた。県内の療養者数は、6月5日の2756人から順調に減少してきたが、達成を目前に反転した形となった。

 1週間当たりの新規感染者数も、7月中旬に一時はステージ3を達成したが、現状では再び増加してステージ4に戻った。このまま感染の再拡大が続けば、緊急事態宣言も継続することになる。

「4連休での感染急拡大を警戒」

 感染が再拡大する中で、7月22日からは4連休が始まる。県は、連休で人の移動が増えて感染急拡大につながることを強く警戒しており、玉城知事は会見で「県外の方は、来県を自粛するよう心からお願いする。県民の皆さんも、大事な方を守るため外出や会食は控えてほしい」と改めて呼び掛けた。

 会見では「飲食業や観光業界から経済的逼迫で自粛は厳しいという声もあるが、今後、どのようなメッセージを発出するか」との質問も出た。玉城知事は「今は、できるだけ早期に経済を回復させる取り組みを、感染防止対策を取りながらやらざるを得ない状況」と説明した。

 その上で、「やはり今は『しっかりとみんなで頑張っていきましょう』ということをお願いさせていただくばかりだ」と述べた。

専門家会議を開催

 県は20日夜、感染の拡大を受けて急遽、医療従事者による専門家会議を開催。今後の対策を議論した。専門家会議は、同日から保健医療部長ではなく県知事の委嘱となり、玉城知事も出席した。台風接近のため、会議はオンラインでの開催となり、報道陣にも公開された。

 会議では、これまでの感染者減で医療機関の負担が軽減されていることや、ワクチン接種で80代や90代の入院者数が減少している現状が報告された。ただ、感染者が増加する今後は、医療機関の負担も増えるとの予測も出された。また、感染対策で県営施設を休業する点で一致したほか、水際対策の強化を求める声も多く出た。

 一方、同日は専門家会議の委員を辞任した中部病院医師の高山義浩氏が自身のFacebookを更新し、「沖縄では本当のパンデミックが始まろうとしていると思う。緊急事態宣言で『自粛が行われているはず』という行政の建前と、『自粛は続けられない』という市中の現実のなかで、欧米が経験したような大きな流行へと至ろうとしている」と警鐘を鳴らした。

 4連休、オリンピック、お盆など人の接触が増える時期を迎える沖縄。県民のコロナ対策も「正念場」を迎えようとしている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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