「リアルな体験取り戻すきっかけに」 沖縄の子どもたちへ届ける演劇開発中

 
左から、当山さん、新垣さん、島袋景子さん

 かつて全国を回り、多い時には年に180公演をこなしていた当山さんは「子どもの頃に演劇を見ることで、興味を持ってその道に進む人も出てきます。もちろんみんながみんな役者や演劇関係者になる必要はないですけれど、多様な表現に触れて選択肢が1つでも増えることは豊かなことだと思います」と話す。

 演劇ユニット多々らを主宰する新垣七奈さんは、高校生たちと一緒に演劇を作り、放課後デイサービスに通う学生たちを公演に招待している。その中で、一生懸命表現を受け取る子どもたち「素直な反応」を感じるという。「もっと子どもたちが見ることを意識した、寄り添った劇を作れたらいいなということは以前から思っていたので、とても楽しみです。大変ですけど(笑)」

演劇体験で育まれる「感受性」

 当山さんは「演劇は音楽や美術と同じように教育に盛り込むべき文化芸術です。良質な刺激を子どもたちへ届けたい」と意気込みを語る。
 演劇を通してコミュニケーションや読み書き、そして歴史などを学ぶ「演劇教育」は、表現力、集中力、学力、そしてクリエイティビティなどを総合的に向上するとして、海外では学校教育の中に当たり前のように取り入れられている。この場合は「演じる」ことによる効用だが、それよりも圧倒的に手軽に享受できるのが演劇を「見る」ことの教育的効果だ。

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