【沖縄の一斉休校②】学校オンライン化が遅れる理由

 

 学校そのものを所管するのが文部科学省なら、学習塾や民間スクールあるいは学校で活用されるICTツールを開発するIT事業者など、学校以外で学校教育を支える民間サービスを所管するのが経済産業省。事業の柱となる「EdTech(エドテック)導入補助金」は、学校ではなく、学校に導入されるICTツールを扱う事業者を補助する形で学校のICT化を支援していて、私立学校を中心に実に多様なコンテンツが導入されてきているのです。

 こうした経済産業省の取り組みは、何もコロナ禍で始まったものではありません。コロナ以前から活用できるツールはたくさんあったわけです。では、なぜ学校での活用が進まないのでしょうか。

経済産業省

「オンライン授業ができないのは先生が怠けているから」は違う

 授業のあり方は、「学習指導要領」と、それを補う指導要領の「解説」やその他数々の通知通達をもって、体系的に、緻密に築き上げられた壮大なプロジェクトとして、文部科学省が定めています。新たな学習指導要領を策定するのに約3年、実際にこれに基づいた授業が全面実施されるまでには3~7年を費やします。つまり、学習指導要領は、策定から教育現場で展開されるまでに、実に6~10年もの長い年月をかけており、次年度からすぐに実行、というわけにはいかない実情があります。

 さらに、文部科学省が定めた学習指導要領に基づき、都道府県教育委員会や市区町村教育委員会が、より詳細な教育の方針を定め、地域の実情に応じた主体的な取り組みを展開していく、ということになっています。つまり、授業ひとつにも、背景には国から県、県から市町村といったプロセスを経て、様々な計画や考え方が幾重にも積み重なっているわけで、これらを実践する学校や先生個人が、独自の工夫で大胆にICTツールの活用にチャレンジするのも難しい現実があるのです。


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【沖縄の一斉休校①】2度目の休校は想定できなかったのか|HUB沖縄
【沖縄の一斉休校③】オンライン授業は沖縄の教育課題を埋める|HUB沖縄

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