政治を志す若い世代が考えていること(1) 那覇市議選・20代候補予定者インタビュー
- 2021/6/22
- 政治
那覇市政の課題とは
―現在の那覇市政の課題点はどんなことだと考えていますか?
瀬名波さん:市政についてはSDGsの取り組みや待機児童問題、犬猫の察処分問題などで概ね評価していますが、子どもの貧困問題にはさらに取り組むべきだと考えています。また、子どもの貧困問題は、本質的には家庭の貧困問題なので、就労支援や労働環境の整備にももっと力を入れることが重要だと思います。労働条件などの権利がしっかりと保証されて、自分らしく働ける環境がないと、その悪影響は子どもにまで連鎖してしまいます。
自分たちの同世代にもコロナ禍での子育てに不安を感じている人が多いです。「上から手を差し伸べる」という姿勢ではなく「同じ目線で考える」という姿勢で前に進めていきたいと思います。労働環境の不安などから子どもの虐待につながるケースもあると思います。一人ひとりが抱える問題の背景や理由としっかり向き合っていきたいです。
當銘さん:貧困や子育て、高齢化社会への対応といった、市民生活に直結する部分の政策展開にもっと力を入れていくべきなんじゃないかと感じています。もちろんこれまでも様々施策をしてきてはいると思いますが、コロナ禍というのもあります。データで見ても、那覇はシングルマザーの数も多くて、もともと厳しい人たちがもっと厳しい状況になっている可能性も高く、かなり喫緊な課題なのではないかと考えています。
交通の問題もありますね。那覇に住んでから、一応自分1人の分だけでも車を減らそうと思って今は基本バスとモノレールで移動をしているんです。行動範囲は那覇、豊見城、糸満という感じなので比較的路線は充実している方だとは思うのですが、しかしやはり渋滞などもあって時間通り来ないのはかなりネックになっている。LRTの導入なども含めて、先ずは那覇市が口火を切って交通の課題に取り組む姿勢を見せてもいいのではないでしょうか。
普久原さん:市民サービスも含めた行政の情報を手に入れにくいというのは1つの課題だと思います。市役所に行かなければ詳しいことが分からなかったり、役所に行ったとしてもちょっとしたことを聞くために行列に並ばないといけないこともあります。最近で言えば新型コロナの休業補償の対応でも、街場の飲食店の人に話を聞いたら第2波、第3波になった時点でもかなり情報が錯綜していて、誰がもらえるもらえないということで混乱している状況も見受けられました。
もちろんコロナは特殊な状況で大変だとは思いますが、行政職員の人たちがもっと地域の現場に“近い”存在であれば、よりきめ細かい対応も可能になるのではと思います。そのために地域の現状把握に力を入れ、それを踏まえた上で対処する行政側の専門性も高めると同時に、横の連携も強化して街づくりを進めていく必要があると思っています。
外間さん:現市政の課題はたくさんありますが、特に経済を活性化させたいと思っています。そのためのサポート体制が必要です。
2018年に那覇観光キャンペーンレディをさせてもらっていた中で感じたのは『那覇市の観光施策として、市の立ち位置やブランディングを考えているか』ということでした。どういった人が那覇に来て、どのような買い物をしていくのかといったデータ分析など、マーケティング的な手法をもっと取り入れ、市長や部長が観光活性に向けた戦略を意識する必要があると感じています。
行政の縦割りも課題点の一つです。例えば「なはまち振興課」と「観光課」が上手く連携できていない面があるので、公設市場を食文化の発信地にしていきたいという方向性はあるものの、スムーズに実現できていません。
◆(2)へ続く◆