オリオンビールは「沖縄の公器」であり続けるか

 

 逆に今年3月には、アルコール度数2%というハードセルツァー「DOSEE」の発売を始めた。4月には1缶当たりに含まれている純アルコール量(体内に入るアルコールの量)をウエブサイトで公開する取り組みも始めた。

 厚生労働省の示している目安では、1日当たりのアルコール摂取量は男性40グラム、女性は20グラム未満が望ましいとされる。ちなみに、オリオンザ・ドラフトの純アルコール量は、350㎖缶は14グラム、500㎖缶では20グラムだ。7月には業界で初めて純アルコール量の缶体表示にも乗り出す。

オリオンビールのウェブサイトより

 こうした取り組みの背景には、オリオンビールがファンド傘下で収益を追求しながら、税制優遇を受ける以上、「公器」でなければならにという複雑な事情もあるだろう。「ファンドに買収されたことで、(利益ばかりでなく)地元に貢献したいというウチナーンチュとしての思いがかえって強くなった」というある社員の言葉が、現状を端的に伝えている。

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