沖縄の薬物事情 入手ルートはどこからどこへ
- 2021/5/18
- 社会
大麻はSNSでの取引の他、いわゆる「リアル世界」ではこのように広がっている。個人間で大麻を売る人が“仕入れ元”としているのが、大麻を栽培している人だ。
「種自体の所持は日本でも違法ではないですし、売買も違法ではない」と男性が話すように、インターネット検索すると、簡単に大麻種子を販売している業者のサイトが見つかる。しかし業者はあくまで「当店で取り扱いの大麻種子、マリファナ種子は観賞用・コレクションアイテムとして販売しております」「絶対に栽培はしないでください」としているものの、栽培目的で購入する人が大半だということは容易に推測できる。このように種を自ら仕入れ、栽培してできた“県産品”の大麻が出回っていることが多いという。
大麻種子を購入する以外にも「買った乾燥大麻のパッケージに紛れ込んでいた種子」を育ててみたら発芽したということも珍しくはないという。
県内ではSNSよりも個人間での売買が主流だと言い、男性は「これは沖縄の特徴かもしれないです」と分析する。
覚せい剤売人の営業活動
「シャブ(覚せい剤)は基本的にヤクザ管轄ですね。あれは素人はあまり持っていないです」と前述の男性。大麻は栽培さえすれば一般の人の間にも広がりやすいが、覚せい剤などの化学ドラッグは製造自体に専門知識が必要となるためだ。さらに、大麻と比べると有害性や依存性は高いとされる。「覚せい剤を欲しがる人がいるわけですから、水面下の売買で一般の人の手に渡ります」。ヤクザの下についた売人は、彼らなりの営業活動をしているという。飲食店などで「持ってますけど、やりますか?」などと声をかけ渡し「必要だったら連絡ください」と、自らの“販路”を拡大していく。
「警察官もやっていた」
沖縄県内での違法薬物の広がり具合はどの程度なのか。「那覇とかコザとか関係なく、どこに行ってもまんべんなく広がっているはずです。こんなに(やっている人が)いるのか、という感じです。特に年末は、みんなパーティーをしたがるため、薬物全般が手に入りにくい品切れ状態となります」