国内初 沖釣り船マッチングサービス スイベルが6日リリース

 

釣り好きが高じて

 このサービスを開発したスイベルは、今年2月に設立されたスタートアップ企業。大城さんは去年、沖縄国際大学を卒業した。海人の街・糸満に生まれ育ち、幼いころから釣りが身近にあった大城さんは、大学入学前から「釣り」を仕事にしたいと考えていたと明かす。

 「沖国大に進学した決め手は『釣りの講義』があることだったんですよ。入試の面接でも『釣りを仕事にしたい』と熱弁したほど。当時の考えは『プロの釣り師になるかな』ぐらいのものなんですけど」

大城仁さん・スイベル社長

不登校の経験が起業の力に

 大城さんは子どものころ不登校になった経験がある。小学4年の時、教室の人の多さに急に気分が悪くなった。嘔吐恐怖症と診断され、中学2年まで学校に通うことができなかった。学校には通えなかったが、地元の友人たちと一緒に毎晩のように釣りをした。それが唯一の社会との接点だった。

 その後、友人の後押しによって中学3年から学校に通えるようになった。高校に進学した大城さんは、不登校の経験から、会社に勤めるのではなく自分でビジネスを立ち上げたいと考えるようになる。

 大学卒業後はデザイン会社に就職するが、釣りを仕事にしたいという夢を捨てきれず、すぐに退職。プログラマーをしていた大学時代の友人と、釣りに関わるサービスの構想を練り始めた。最初のアイデアは、釣りスポットの情報をフリマアプリのように売買できるスマートフォン向けアプリの開発だった。

 「釣りスポットごとに釣れる魚の種類や量の情報を売り買いできれば便利だと思って。釣り好きの私が欲しい情報だったから絶対にニーズはある。でも、情報を売り買いできるようになると、いい場所に人が集中する可能性が高い。自分たちの場所を大事にする釣り人の気持ちに寄り添ってないと感じて、ゼロから考え直すことにしたんです」

 アプリは完成直前まで出来上がっていたが、公開を中止することに。大城さんは改めて釣りスポットを回り、釣り人からアンケートを集めた。その中で出てきたアイデアが「乗り合い船のマッチングサービス」だった。

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